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3ポイントシュート試投数100本、成功率35%超えが条件

3月17日、ブレイザーズはホームでピストンズを100-87で下し、16年ぶりとなる12連勝を達成した。この連勝を支えているのがエースのデイミアン・リラードと、その相棒CJ・マッカラムなのは言うまでもない。しかし、エースを支えるサポーティングキャストのモーリス・ハークレスも、非常に興味深い選手だ。

ハークレスは206cmながら3ポイントシュートに優れたシューターで、2月以降は成功率も45.7%と安定している。この3ポイントシュート成功率が、ハークレスとチームにとって非常に重要な理由がある。

チームにとっては、ハークレスが3ポイントシュートを高確率で決めることでフロアが広がり、リラードとマッカラムの得点力が生きる。また本人にとっては、3ポイントシュート成功率次第で年俸に多額のボーナスが加算される契約になっているのだ。

ハークレスの契約には、年間3ポイントシュート試投数100本を超え、かつ成功率35%以上を維持すれば50万ドル(約5300万円)のボーナスが与えられるという条項が含まれている。昨シーズンの最終戦を成功率35.1%で迎えたハークレスは、最後の試合で1本も3ポイントシュートを打たなくても済むようにチームメートに頼み込み、見事にボーナスをゲット。試合後には協力してくれた仲間たちに食事をご馳走した。

ただ、これが公になるのは面白いがカッコ良くはない。今シーズンのハークレスは、ギリギリでノルマをクリアした昨シーズンとは異なる歩みで目標へと近づいている。すでに試投数は100を超えた。ピストンズ戦でも3本中2本を成功させ、現在の成功率は37.6%。高確率を維持しつつ、チームの連勝にもきちんと貢献しているのだ。

昨シーズンと比べて1試合あたりの試投数が0.6本減っているのは、チームのために無駄打ちを減らして効率を上げるのに加え、成功率を高めることがボーナスゲットに繋がるからだろう。それがワンマンプレーにつながるようであればボーナスは本末転倒だが、今は彼の個人的な目標とチームの勝利がうまく噛み合っている。ボーナス設定の妙と言うべきか。他のクラブも参考にすべき事例だ。