スターリング・ブラウン

「警察の残虐行為に抗議し、正義のための戦いを促進する」

ミネアポリスでアフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイドが死亡した事件により、全米に人種差別に対する抗議運動が広がった。この事件を受けネッツのカイリー・アービングらNBA選手の一部がシーズン再開に参加しない意向を表明した。

バックスのスターリング・ブラウンは2018年に駐車違反を指摘された際に、警察官からスタンガンの一種テーザー銃で撃たれた。ブラウンは警官が過剰な威力を行使したとミルウォーキー市警を訴え現在も係争中だ。しかし、NBA再始動に反対する選手とは異なり、ブラウンは社会正義と人種平等の問題を訴える良い機会と捉え、試合に出場する意向を示した。

ブラウンは先日『ESPN』の取材で「オーランドにいる間は多くの目が選手に向けられるだろう」と語った。「試合中やハーフタイム、試合前に僕らが発信するメッセージを見ることになる。重要なメッセージを発信する方法はたくさんあるし、それを利用したいと思っている。僕らには他に類を見ないほどのプラットフォームとリソースがある」

自らも警官による不当な拘束を経験しているブラウンにとって社会正義と人種的平等は身近で重要な問題だ。「プロ入り初日から勝つためにプレーしてきたけど、今はそれがプライオリティではない。プレーすることで、このプラットフォームを使って様々なことを成し遂げられると思う。警察の残虐行為に抗議し、正義のための戦いを促進することができる。プラットフォームを利用して黒人コミュニティが抱える他の多くの問題を提起することもできる」

ブラウンはシーズン再開に批判的な選手連合のメンバーではないが、彼らの意見がリーグの分裂に結びつくとは考えていない。「僕は欠場したいと思っている人たちに反対はしない。彼らには間違いなく大義や正当な理由がある。しかし個人的には、意識向上をもたらし、光を照らし続けるためにも、僕らが持つプラットフォームとリソースを利用できる良い機会だと感じている」

ブラウンはオーランドでコートに立つまでに、自分自身や周りの人たちと学びながら人種差別の問題意識を高める準備を十分にしておくつもりだ。「もちろん簡単なことではない。毎日苦労しているけど、家族を養わなきゃいけないし、人としてもしっかりしなきゃいけない。僕は仲間のために戦うつもりだし、これまでも常に正しいこと、間違ったことに反対するために立ち上がってきた。いつも自分の声がなるべく多くの人に届くように努力してきたんだ」