ブレイク・グリフィン

「どんな役割を与えられるにしても楽しみだよ」

ピストンズはNBA再開の22チームに含まれず、2019-20シーズンを終えた。もしピストンズもシーズン終盤を戦っていたとしたら、そこにはブレイク・グリフィンの姿があったはずだ。彼が最後にプレーしたのは昨年12月29日のスパーズ戦。古傷のひざの痛みが引かず、手術を行って以降はコートに立っていない。

かつてのNBAトップスターは度重なるケガに苦しみ、ここ数年は本来のパフォーマンスを出せずにいる。それでもひざは完治しており、彼はコートに戻って来るつもりだった。ドウェイン・ケイシーも「私が出会った中でも最も真剣にバスケに取り組む選手の一人」とグリフィンの姿勢を評価しており、そんな指揮官の下でプレーすることをグリフィン自身も楽しみにしていた。

だが、シーズンは終わり、アンドレ・ドラモンドを放出したピストンズは再編されるだろう。グリフィンの契約は来シーズンまで残っており、2021-22シーズンはオプションが付いている。彼自身がピストンズでの再起を目指していても、クラブはそう判断しないかもしれない。

「どうなるかはフロントの考え方次第だけど、僕としてはピストンズに所属している限りは、このチームのためにプレーして勝つことだけを考える。それが選手としての務めだ」と、『The Detroit News』の取材に応じたグリフィンは語る。

全盛期から遠ざかっていることを感じていないわけではないにせよ、「衰えているとは思わないよ。これが最後の契約になるとも思わない」とグリフィンは言う。実際、ここ数年は調子を上げてはケガの繰り返し。それでも3ポイントシュートのアテンプトが増えるなど今のNBAのトレンドに合わせてプレーの幅を広げており、クリッパーズ時代のようにゲームの主役は張れなくても、別の形で勝利に貢献する自信はある。

何より、彼はデトロイトでのプレーを楽しんでいる。「毎日練習に行き、素晴らしいコーチとスタッフに囲まれて仕事をするのは素晴らしいこと。チームは大きく変革されるだろうけど、どんな役割を与えられるにしても楽しみだよ」

そしてグリフィンは、白人のNBAプレーヤーとして『Black Lives Matter』についてこう発言している。「ひどく落胆したけど、刺激にもなった。声を上げる人々の数と支援の大きさを見れば、どれだけ僕らのシステムに欠陥があり、傷ついた人たちがいて、人々が責任を負っていなかったのかが分かる。物事は変わり始めているけど、まだ始まりにすぎない。この動きを否定する人が、アメリカで黒人たちの生活が尊重されなかったことが理解できないのだとすれば、それは見て見ぬふりをしているだけだ」

いずれにせよ、ピストンズとグリフィンのシーズンは終わった。次に彼らが公式戦を戦うのは半年後になりそうだ。それまでグリフィンは、31歳になった自分の可能性を信じ、準備し続けるという戦いに身を投じる。