千葉ジェッツの『ラストピース』レオ・ライオンズ「もっとゴール下にアタックを」

2018/02/28
Bリーグ&国内
1975

文・写真=鈴木栄一

マルチなプレーに「プライドを持っている」

2月18日の試合前、千葉ジェッツは大きな正念場を迎えていた。アルバルク東京をホームの船橋アリーナに迎えた東地区首位対決において、前日の17日は第1クォーターからリードを許す、良いところのない敗戦。さらにこの試合で、故障離脱中の富樫勇樹に代わる先発ポイントガードとしてオールジャパン連覇の原動力となった西村文男が負傷欠場することが明らかになったのだ。

富樫、西村が相次いで離脱したことにより、18日の試合でポイントガードは阿部友和のみとなってしまった。だが、千葉はこの危機を文字通りチーム一体となって戦うことで乗り越え、79-69で勝利。連敗を阻止し、A東京とのゲーム差2のままで首位対決を乗り切った。

この試合、千葉の先発ポイントガードは阿部が務めたが、彼のプレータイムは約19分。試合の約半分は本職の司令塔不在となったが、その穴を埋めたのがレオ・ライオンズだった。大野篤史ヘッドコーチが、「一番ボールハンドリングが大丈夫な選手。プレッシャーを受けてもチープなターンオーバーをしないと思い、レオにポイントガードの役割を任せました」と語る。そのライオンズが急造の司令塔をそつなくこなしたことがA東京撃破の一因となったのだ。

元々、ライオンズは206cmのサイズがありながら非凡なボールハンドリング能力を持っている選手。そして、「どんなポジションでもプレーできることにプライドを持っている。これこそ自分の一番の強みだと思う」と、ガードからフォワードまで複数のポジションに対応できることに自信を持つ。

また、「練習で自分がポイントガード的な役割をこなすのも多くある。ボールコントロールをすることには慣れており、特に難しいことはなかったよ」と言葉を続け、急造のポイントガードにもプレッシャーはなかったと強調している。

「フィジカルにプレーすることをシンプルに意識した」

3ポイントシュート2本成功を含む15得点、3リバウンド3アシスト2スティールと攻守にわたる奮闘で勝利に貢献したライオンズだが、前日の敗戦との違いを次のように振り返っている。「昨日はみんな自分たちが何をすべきか考えすぎてしまい、ハードに戦えなかった。今日はよりハードにプレーして、リバウンドを取れた」

「アルバルクに勝つには、フィジカルの戦いに勝たないといけない。フィジカルにプレーすることをシンプルに意識した。彼らはプレッシャーディフェンスを仕掛けてくる。それを突破する唯一の方法は引かずにアタックすること。今日は試合開始からアタックすることができた」

シーズン途中の12月に加入したライオンズは、他の選手との連携については、何がベストな形なのか探しているところ。ただ、一方で「ヘッドコーチとは、自分がどうプレーすることがチームのベストになるのかよく話している。彼はとてもオープンマインドで自分の話をよく聞いてくれている。シーズン途中でチームに加入するのは難しいけど、コーチ陣は自分が力を発揮しやすいようにサポートしてくれる」とも語る。

「もっと強いプレーをしないといけない」

また、模索の中でも自分の役割として意識していることがある。「もっとゴール下にアタックしないといけない。今はパスを優先しすぎてターンオーバーが多くなっているから、もっと強いプレーをしないといけない」

今の千葉オフェンスを見るとギャビン・エドワーズ、小野龍猛とローポストからの仕掛けはリーグ屈指の破壊力を持っている。富樫、西村と外角シュートに長けた司令塔がいる。そんな中、不足しているのはアウトサイドからゴール下へのアタックをしかけて得点、もしくはシュートファウルをもらってフリースローを獲得するようなプレーだ。

そして、この役割に最も適任なのはライオンズに他ならない。振り返ればライオンズと入れ替わる形でチームを離れたトニー・ガフニーは、リーチの長さを生かした守備力に定評のある選手だったが、オフェンスは個で打開するより、周りからパスをもらってのキャッチ&シュートによる外角シュートを得意とするタイプ。ゴール下へアタックを仕掛けるような選手ではなかった。

多彩なプレーが持ち味のライオンズであるが、本人も自覚しているように今の千葉にとって最も助けになるのはゴール下に切れ込んでフィッシュまで持ち込む強気のプレー。彼のアタックが増えることで、千葉のオフェンスはより厚みを増してくる。