佐々木クリス&おのののか NBA終盤戦、プレーオフ進出争いの見どころを探る!

2018/02/22
NBA&海外
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取材=鈴木健一郎 協力=WOWOW

NBAオールスター『サタデー・ナイト』が現地2月17日に行われた。オールスターゲームを前にした『前夜祭』でスキルズチャレンジ、3ポイントコンテスト、スラムダンク・コンテストの模様を主に紹介したWOWOWの番組に、おのののかが登場。収録を終えて、おのののかがNBAシーズン終盤戦の見どころを佐々木クリスに聞いた。

クリス「カーターの2000年のダンクは僕の青春ド真ん中」

──今年のスラムダンク・コンテストは例年以上にレベルが高かったですね。

おの すごかったです。スローで見ないと分からないような、本当にすごいとしか言いようのないダンクばかりでした。Bリーグのオールスターゲームでも審査員をやらせていただいたんですが、こちらもすごかったです。優勝したドノバン・ミッチェル選手も、そんなに背が高くないのにあれだけレベルの高いダンクをするのにビックリです。

佐々木 レベルが高かったですね。このところリーグでの3ポイントシュートの増加とともに3ポイントコンテストがオールスター・ウィークエンドの主役になりつつあるのかなという時に、ちょっと流れを引き戻したと言うか。スラムダンク・コンテストの中でもすごいエポックメイキングだったのが、1988年のマイケル・ジョーダンとドミニク・ウィルキンスのバトルだったと思うんですけど、その30周年に相応しい、ダンクコンテスト絵巻が見られました。

おの 1年前からNBAを見始めた私も、クリスさんの解説で今回の出場選手から歴史を学ぶことができてうれしかったです。

──お2人の個人的な今年の『ベスト・ダンク』はどれでしたか?

おの やっぱりラリー・ナンスJr.のタップかな。「こんなダンクもできるんだ」という発見、これからのスラムダンクの成長を感じられて、また楽しみになりました。

佐々木 ビンス・カーターの2000年のダンクなんかは僕の青春ド真ん中だし、衝撃度はNo.1なんです。それを再現しようとするだけでゾクッとします(笑)。あとは初めて見るという意味ではデニス・スミスJr.には来年リベンジしてほしいですね。360°で股抜きして、かつ右手じゃなく左手に持ち替えてダンクする。技の難易度を考えたらミスしても50点満点で納得です。そういうダンクがまだ取ってあるなら、来年また見せてほしいですね。

おの スローで見ないと何をやっているのかもよく分からない(笑)。隣でクリスさんが解説してくれて、「そうか、左手で!」とやっと分かりました。未知の世界でした。

──オールスターは終わりましたが、すぐにシーズン終盤戦が始まります。優勝を目指すチームはもちろん注目なのですが、この時期はプレーオフ進出争いが熱いので、おのさんと一緒に注目チームや見どころをクリスさんに聞いていきたいと思います。おのさんはロケッツが注目チームだと聞きましたが、プレーオフ進出争いをする中で気になるチームはありますか?

おの ヤニス・アデトクンボに注目しているのでバックスです。今は、東の6位ですね。

佐々木 バックスはシーズン途中でジェイソン・キッドヘッドコーチを解任しています。その時は連敗が続いて順位も落ちていたのですが、アデトクンボを始め今いるメンバーを考えたら当然プレーオフに進出するチームです。その意味でオーナーが大きく舵を切りました。ジャバリ・パーカーがケガから戻って来たり、アデトクンボもキャリアハイの活躍を続けているし、今の6位という順位は僕個人としては物足りないです。

おの じゃあ、もう少し上に行ける可能性が高いんですか?

佐々木 ペイサーズとウィザーズがその上にいますが、ペイサーズは明らかなサプライズチームだし、ウィザーズはジョン・ウォールがひざの手術をして戻れるのはプレーオフ直前になりそうなので、それでも4位を維持しているという点では頑張っていますが、バックスはホームアドバンテージの得られる4位まで狙えると思います。

おの アデトクンボがすごいのは分かるんですが、NBA全体で見てどれぐらいすごいんですか?

佐々木 あれぐらいボール運びができてペイント内での得点が多いスモールフォワードの選手はレブロン・ジェームズ以来だと思います。レブロンとアンソニー・デイビス、そしてアデトクンボはペイント内の得点力が非常に高くて、アデトクンボは1試合平均16.4ポイントでリーグ1位なんです。リングに近いところまで到達できることがチームに好影響をもたらす。これはバスケットボールが誕生した時からの原則です。レブロンの周りにシューターを置くのは、レブロンのこの力を最も出させるためで、バックスがアデトクンボを中心にそういう形を作れるかどうか、これはシーズン終盤の注目すべきポイントになります。

おの「若い選手が絶対的王者に挑む姿を見ていきたい」

おの スパーズはどうですか? 私はカワイ・レナードも好きなので気になります。

佐々木 トップのチームとは10ゲーム離れていますが、開幕時点でレナードとトニー・パーカーがいなかったスパーズが3位につけていることは尋常じゃないですね。レナードは今も出れていないし、パーカーもベンチスタートで、エース不在のまま西の3位を維持しているわけです。

おの それは、2人に代わって活躍している選手がいるということですよね。

佐々木 第一にはラマーカス・オルドリッジです。オールスターに出たこともある選手ですが伸び悩んでいて、開幕前には放出されるんじゃないかという噂もあったのですが、そこはグレッグ・ポポビッチと男同士の対話で乗り切りました。ポポビッチはUSA代表を率いて2020年の東京オリンピックに来るヘッドコーチなんですが、その人の懐の深さというか、球団の器の大きさですね。今ではオルドリッジなしではこの順位は成し得ないと思います。あとは2年目のデジャンテ・マレーで、ポイントガードでありながらサイズがあって手がすごく長いんです。今のNBAはピック&ロールに対する守り方で、ディフェンスが入れ替わるスイッチが一番効果的ということで、ポイントガードでも1番から4番まで守ることが求められます。

おの ポイントガードが4番をマークするのは大変ですよね。

佐々木 そうです。だからこそ、そこを頑張って長さで補うことのできる選手は評価されます。キャバリアーズがジョージ・ヒルを獲得したのもそういった意味からです。余談ですけど、今のNBAはオフェンスでできるポジションがその選手のポジションじゃなくて、守れるポジションがその選手のポジションと言われています。1番から4番まで守れたらポイントガードではなく何をやらしてもOK。今のNBAはポジションレスの考えが進んで、ボールを扱える選手、ウィングでプレーする選手、ビッグマン。カテゴライズとしてはこの3つで十分なんです。

おの ではもう1チーム、スラムダンク・コンテストで優勝したドノバン・ミッチェルが気になるので、彼がいるジャズはどうでしょう。今は西の10位ですが、プレーオフを狙えますか?

佐々木 チャンスはありますね。クイン・スナイダーというスパーズの系譜にあるヘッドコーチが率いていて、スパーズに似た組織力を持っています。ミッチェルだけでなく、ルディ・ゴベアやジョー・イングルズがいて、バランスの良さや層の厚さではペリカンズやブレイザーズよりは上じゃないかと思います。

おの 最後にキャバリアーズはどうですか。順位こそ3位ですが、かなり苦戦していますよね。レブロンがいても苦戦するというのが、なかなか分からないところです。

佐々木 まずバスケットは一人でやるものじゃない、というのはあります。あとはよく言われるのが精神的な疲れです。今シーズンもファイナルまで行くと4年連続で、レブロンに関しては8年連続になります。こうなるとプレーオフまでセーブしようというブレーキが働きます。レブロンはもう特権階級だから、時には手を抜いてもいいかもしれない。でも周りの選手は手を抜いて通用するわけではないので。なおかつチーム全体の雰囲気が「プレーオフから本気になればいいよね」となると、良い習慣作りができないです。それができなかったのが一番痛いところです。ディフェンスレーティングで去年22位だったのが、今年は30位になってしまったんです。30位でプレーオフに進出したチームは過去にありません。

おの 30位って、NBAで一番下ということですよね!?

佐々木 はい。それはレギュラーシーズンの82試合を軽んじた結果だと思うんです。レブロンのリーダーシップや知性は素晴らしいです。多くの新加入選手がやって来た中でレブロン自身が限界を感じちゃったのかもしれないですね。うまく行かなかったのは残念です。例えばジェイ・クラウダーはブラッド・スティーブンスという切れ者の知将がいるセルティックスから来て、その風土で活躍していた選手なので、キャブズにこれだけルーズなバスケットをされるとやりづらかったと思います。それで噛み合わなくなってしまいました。それでもトレードデットラインに選手を大幅に入れ替えて若返ったし、獲得した選手たちは40%近く3ポイントシュートを決められる、ペイント内のレブロンを生かす選手たちです。そういった意味でレブロン自身もテンションが上がっていると思います。

おの 勉強になります。ずっとキャブスとウォリアーズが絶対的なチームと言われていましたが、今年はそれが崩されているというか、違うチームにも勝つチャンスがあって塗り替えられるかもしれないのが私としてはすごく面白いです。今回、オールスターを見ても良い選手や若い選手がどんどん出てくるし、私はまだ初心者ですが新しい選手に目を付けて、そういう選手がレブロンやステフィン・カリーとか、今までの絶対的王者に挑む姿を見ていきたいです!

◆◆◆ WOWOW番組情報 ◆◆◆

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2/23(金)午後1:00~ 「ウィザーズVSキャバリアーズ」 [WOWOWライブ]
2/24(土)午前8:45~ 「スーパーサタデーLIVE!セルティックスVSピストンズ」 [WOWOWライブ]
2/25(日)午前10:00~ 「マジックVSセブンティシクサーズ」 [WOWOWライブ]
2/28(水)午後1:00~ 「ウィザーズVSバックス」 [WOWOWライブ]
3/1(木)午後1:30~ 「ペリカンズVSスパーズ」 [WOWOWライブ]
3/2(金)午後3:30~ 「ティンバーウルブズVSトレイルブレイザーズ」 [WOWOWプライム]
3/3(土)午前9:15~ 「ウォリアーズVSホークス」 [WOWOWライブ]
3/7(水)午後3:30~ 「ペリカンズVSクリッパーズ」 [WOWOWライブ]
3/8(木)午後1:00~ 「ラプターズVSピストンズ」 [WOWOWライブ]
3/9(金)午後1:00~ 「サンズVSサンダー」 [WOWOWライブ]