キャブズは若返りに着手、ウェイドはヒートに帰還
今シーズンのトレード期限である2月8日、キャバリアーズが動いた。ここまで31勝22敗で東地区首位のセルティックスには8ゲーム離されており、ファイナル進出を義務付けられたチームとしては想定外の不振。テコ入れは急務となっていたが、ここまで動くとは予想できなかった。
昨夏に加入したばかりのアイザイア・トーマス、ジェイ・クラウダー、ドウェイン・ウェイド、デリック・ローズに加え、2016年の優勝メンバーであるチャニング・フライとイマン・シャンパートの6選手を放出。そしてレイカーズからジョーダン・クラークソンとラリー・ナンスJr.、キングスからジョージ・ヒル、ジャズからロドニー・フッドの4選手を獲得した。
キャブズとしては現行のチーム解体に等しい大幅な刷新である。ただ、後半戦に向けてポジティブな要素がほとんどなかったことを考えると、動かざるを得なかった。狙いとしては平均年齢を下げることでのチームの活性化で、放出した6選手の平均年齢は30.7歳、加入した4選手は27.0歳となっている。
退団した選手のうち、ウェイドはヒートに帰還することに。もともと『ヒートの顔』だったウェイドがマイアミを離れたのは、球団とのボタンの掛け違いによるもの。2016年夏に退団する際、ウェイドは13年を過ごし3度の優勝を経験したヒートへの愛着を隠さなかったし、球団社長のパット・ライリーも「慰留すべきだった」と後悔の念を語っている。ヒートを離れたウェイドは故郷のブルズに加入するも、再建期のチームでその力は発揮できず。今シーズンからは盟友レブロンに合流する形でキャブズにやって来たが、結果はご覧の通りだ。
気の毒なのはアイザイア・トーマスだ。セルティックスに絶対の忠誠を誓っていたが、カイリー・アービングとのトレードの交換要員としてキャブズへ。序盤戦はケガで出遅れ、復帰するとカイリー級の活躍を期待された。小兵のスコアリングガードだけに、ディフェンス面でチームのサポートが必要なトーマスだが、セルティックでは受けられていたそれをキャブズでは得られず、長所である得点面より、身体能力に劣る短所ばかりが強調される羽目に。結局、キャブズでは15試合に出場しただけに終わった。
キャブズにとって今回のトレードは、若返り以外にも狙いがある。この夏にフリーエージェントとなるレブロン・ジェームズとの再契約を勝ち取ることが、今のキャブズの至上命題。ピークを過ぎたベテランばかりの現行のチームでは、今シーズンの成績はともかく、来シーズン以降にレブロンが求めるレベルを維持できなかったのは明確だった。これでレブロンが満足する保証はないが、少なくとも現時点で打てる手は打った、ということだ。