ケビン・デュラント獲得の成否で変わるチーム事情
2シーズン続けてウォリアーズのNBAファイナル進出に貢献したハリソン・バーンズの獲得にシクサーズが動いているようだ。
『ESPN』によれば、今オフに制限付きフリーエージェントになるバーンズに対し、シクサーズは、FA選手との交渉が解禁される7月1日以降、強力にプッシュするプランがあるという。
制限付きフリーエージェントとは、現在のチームの権利を放棄することで、他チームからのオファーを受け入れられる立場のこと。ただし、契約で優先されるのは元所属チームで、シクサーズのオファーをバーンズが受け入れても、ウォリアーズが条件をそこまで引き上げれば、移籍は成立しない。
しかしウォリアーズはケビン・デュラントの獲得に乗り出すとも言われている。バーンズとデュラントは同じスモールフォワードでポジションが重なるし、サラリーキャップの枠を空ける必要もある。そうなるとバーンズが弾き出されてもおかしくはない。
バーンズはスモールフォワードながら、ウォリアーズがスモールラインナップを敷いた時にはパワーフォワードを務め、身体能力を生かしたプレーでチームに貢献。今シーズンは平均11.7得点を挙げ、38%と高い3ポイントシュート成功率を記録。またオリンピック代表にも初選出された。24歳と若く、まだ成長の余地を残してもいる。
シクサーズは歴代ワーストに並ぶ開幕18連敗に始まり、シーズン成績10勝72敗とNBA全30チーム中でぶっちぎりの最下位だった。チーム再建に向け、先週のドラフトでは全体1位で即戦力と期待されるルイジアナ州立大のベン・シモンズを指名した。
これに続きシクサーズがバーンズを獲得できれば、伸び悩んでいるセンターのナーレンズ・ノエル(2013年ドラフト6位)をトレードすることが可能になる。シクサーズはセンターにジャリル・オカフォー(2015年ドラフト3位)を起用していて、ノエルは本来のポジションではないパワーフォワードに回されていた。
シモンズをパワーフォワードで、バーンズをウィングで起用できる。シューティングガードとポイントガードの補強も欠かせないが、ここでノエルをトレードの駒として使う。シモンズを獲得してもなお心もとないシクサーズの陣容だが、バーンズがロスターに加わるとなれば、風向きは変わってくるはずだ。