文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

互いに流れを奪い合うシーソーゲーム

昨日行われた富山グラウジーズとサンロッカーズ渋谷の一戦は、ディフェンスが機能し、後半の失点を26に抑えたSR渋谷が79-70で制した。

先手を取ったのはホームの富山。デクスター・ピットマンがインサイドを制し、橋本尚明が外から射抜き、宇都直輝が速攻を決める。富山はバランスの良いオフェンスを展開。第1クォーター残り3分、橋本が2本目の3ポイントシュートを沈めて22-11と点差を2桁に乗せた。

それでも、SR渋谷はここから反撃に出る。4試合ぶりの出場となった満原優樹が素早いトランジションから3ポイントシュートを決めて流れを作ると、再び満原と長谷川智也が3ポイントシュートで続き、約2カ月ぶりの復帰となった広瀬健太が遠距離3ポイントシュートを沈めて24-26と点差一気に縮めた。

第2クォーターに入り最初のポゼッションで伊藤駿まで決める3ポイントシュート攻勢で27-26と逆転。その後も素早いトランジションから広瀬が、そして杉浦佑成と続き、前半で8本の3ポイントシュートを決めたSR渋谷が49-44とリードして前半を折り返した。

後半はロースコアゲーム、SR渋谷の堅守が光る

前半は点の取り合いとなったが、後半に入ると一転してロースコアの展開に。そうなるとリーグ3位の堅守を誇るSR渋谷のペースとなる。強度の高いディフェンスと素早いヘルプで約4分間、富山を無得点に封じた。第3クォーター終了間際には、広瀬がフリースローに飛び込んでオフェンスリバウンドを奪取し、それを伊藤の3ポイントシュートにつなげるなど、リードしてもなお集中が途切れない。

65-56とSR渋谷がリードして迎えた最終クォーター、ブランデン・ドーソンのブロックから長谷川が速攻を決めて点差を2桁に乗せる。

富山は追い付こうと焦る気持ちが空回り。残り5分を切った場面でチームファウルが5に到達してしまう。また宇都がミスマッチを強調しこのクォーターだけで8得点を挙げるも、その分ヘルプディフェンスにつかまり、3つのブロックショットを浴びて諸刃の剣となってしまった。

SR渋谷はディフェンスが機能し優位を保つが、フリースローが8本中1本しか決まらず、セーフティーリードを奪えない。それでも10点前後の点差を常にキープし、残り1分12秒の場面でベンドラメ礼生がフリースローを2投成功させ、78-68としたところで勝負を決めた。

勝久コーチ「自分たちの軸はディフェンス」

勝久ジェフリーヘッドコーチは「富山はトランジションのバスケットが速いので意識しましたが、前半のディフェンスは自分たちがやるべきことができなかったです。後半は自分たちのバスケットをしようと言って、後半のほうが良いディフェンスができました」と振り返り、「連敗を止められたことがうれしいです」と勝利の味を噛み締めた。

宇都と大塚のプレータイムが35分を超えた富山に対し、SR渋谷は伊藤の24分が最長と、しっかりタイムシェアできたことも終盤までパフォーマンスが安定しリードを保つ要因となった。

今日行われる第2戦では、SR渋谷の堅守をどう崩し、富山得意の速い展開に持ち込めるかがカギを握りそうだ。