加入したばかりのジョイスが勝機を作り出す
滋賀レイクスターズはアルバルク東京に2敗し、7連敗と苦しんでいる。リーグ1位のA東京を相手に金星を挙げることはかなわなかったが、それでも第2戦ではA東京を最後まで追い詰め、チームのポテンシャルを再確認できた。
指揮官のショーン・デニスも「このリーグのベストチームのA東京に、勝てるチャンスがあるかもしれないという展開に持っていくことができたのは良かった」と語っている。
そのA東京戦で躍動したのが、今年に入ってチームに加わった新外国籍選手、ベンキー・ジョイスだった。チームハイの22得点を記録したが、特筆すべきは、ジョイスが活躍した時のチーム状況だ。前半でファウルトラブルに陥った並里成に続き、インサイドの大黒柱であるディオール・フィッシャーも、後半開始早々にファウルトラブルになりベンチに退いていた。
堅守を誇るA東京に対して得点源2人を欠く非常事態。この時点で滋賀に勝ち目はないかと思われたが、ここで果敢にリングにアタックしたのがジョイスだ。「ビッグマンに自分がアタックすることによってアドバンテージが生まれると思った。相手のビッグマンがスピードの面で自分にマッチアップできないのは分かったので、そこは攻めた」と言うジョイスの8連続得点で、滋賀は息を吹き返した。
逆境に落胆するチームメートを鼓舞する働き
突き放されかけた場面でジョイスの8連続得点が飛び出し、58-60と1ポゼッションまで差を詰めた滋賀。ジョイスの果敢なプレーに勇気づけられたチームは、それに呼応するように得点を重ねてA東京と接戦を演じた。
「フィッシャーが4ファウル目を犯した時、みんなが落胆したように見えた。リーダーとしてまずアグレッシブに戦い続けなければと感じたよ。僕がアグレッシブにやることで、自分自身の自信も湧いてくるし、それに感化されて他の選手にもエネルギーが移っていくと思ったんだ。外国人選手として良いパフォーマンスをするだけでなく、他の選手に良い影響を与えることがチームとして成功していくために必要だ」
ジョイスのプレーは敵地のアリーナ立川立飛の雰囲気をも一変させた。ジョイスが得点するたびにA東京のファンもどよめいた。それでも勝利には至らず。アレックス・カークにキャリアハイの40得点を奪われ、81-88で試合には敗れた。
「得意なことを効果的にやり続けた部分で相手のほうが上手だった」とジョイスは敗戦を受け入れた。
サイズはなくてもスピードと身体の強さで勝負
ジョイスは202cm104kgと外国籍選手の中ではリーグの中でも特別大きい部類の選手ではない。それでもスピードと身体の強さで得点を量産した。
「ウイングスパンは6'11フィート(約2m10cm)くらいあると思うよ。まぁ自分の力強さやスピードっていうのをまだしっかり査定されてないというか、見下されている部分はあると思う」とジョイスは言う。
新外国籍選手はフィットするまでに時間を要することが多いが、ジョイスのいきなりの活躍は滋賀にとってうれしい誤算だろう。連敗を止め、浮上するための起爆剤となれるか、今後のジョイスのパフォーマンスに期待したい。