文=鈴木健一郎 写真=B.LEAGUE

乾燥大麻を輸入した容疑で逮捕、チームに衝撃

レバンガ北海道は1月23日付けでグレゴリー・ウィッティントンを契約解除とした。ウィッティントンは24歳のパワーフォワードで、ケガで欠場した一時期を除けばスコアラーとして活躍。18試合に出場して貴重な攻撃のオプションとなり、ここまで17勝13敗と『死のカンファレンス』東地区で健闘する北海道の大きな戦力となっていた。

当初は契約解除の理由について「本人の個人的理由に伴う双方合意の上での解除」と発表されていたが、23日に大麻取締法違反容疑で逮捕されたことを受けての措置。

昨年11月下旬に海外から空路で輸入された乾燥大麻の宛先がウィッティントンになっており、税関の検査により発覚。北海道厚生局麻薬取締部による本人の逮捕に至り、乾燥大麻約7.43グラムが押収されてもいる。

これを受けてクラブは契約解除を決定した。ウィッティントンは逮捕されたが、捜査状況は明らかになっておらず、認否についても不明という状況。それでも「クラブは多くのファンやステークホルダーの支援により成り立っている」という観点から、逮捕の事実が確認できた時点で契約解除の対応を取った。またチームには24日の練習終了後に説明がなされている。

折茂は「必死に、前向きに、一丸となって」

同日夜には会見が行われ、代表取締役兼選手の折茂武彦は次のように語った。「今回の件に関しては、本当に残念なことになってしまった。ただ、このような残念なことがあったにせよ、まだシーズンも半分が残っていますし、しっかりと前を向いて、北海道のために、そして応援してくれる人たちのために、しっかりとした戦いをお見せしたいと思っています」

ウィッティントンについて折茂は「能力の高い、また性格的にも明るくチームのムードメーカーでもあったので、非常に残念」とコメント。「ただ、自分も含めて選手たちは今回の件をしっかりと受け止めていると思いますし、自分たちは勝つことによって皆さんに勇気を与えるような存在でいなければならないと思っていますし、このようなことがあったからこそ、そこで沈むのではなく、必死に、前向きに、一丸となって、今シーズンも残りの試合を戦っていきたい」

ウィッティントンはまだ容疑者であり、有罪と決まったわけではないが、レバンガでプレーする姿はもう見られなくなってしまった。主力である外国籍選手をこのようなアクシデントで欠くことは大きな痛手。また前節のホームゲームで5097人、5479人を集めるなど観客動員も絶好調だったが、この勢いに水を差すことにもなりかねない。

今週末は栃木ブレックスとの東地区5位、6位対決。2月はアルバルク東京、サンロッカーズ渋谷、川崎ブレイブサンダースと東地区の強豪との直接対決が続く。シーズンの正念場を前にチームには少なからず動揺があるだろうが、折茂の言うように「前向きに、一丸となって」となれるかどうかがカギとなる。