「卒業生のために何か特別なことをしたい」
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、各国の教育機関では休校が続いている。日本でも卒入学式に影響を与えたが、アメリカはこれから卒業式の時期を迎える。
アメリカ国内では今後、段階的に経済活動を再開させる州もあるようだが、いまだ終息には程遠く、多くの学校で生徒たちが楽しみにしていた卒業式の中止を検討せざるを得ない。
そこで、NBAの顔であるレブロン・ジェームズが一肌脱いだ。レブロンはアメリカの活動家ローレン・パウエル・ジョブズの『XQ Institute』と、ロサンゼルスに拠点を置くエンターテインメント産業財団『Entertainment Industry Foundation』らと共同で、全米で300万人を超える高校卒業生に向けた特別番組を放送すると発表した。
この番組は『America Honors the High School Class of 2020』というタイトルで、5月16日に『ABC』、『CBS』、『Fox』、『NBC』で放送されるほか、YouTubeなどのSNSでも配信されるという。レブロン以外にも人気バンドのジョナス・ブラザーズ、女子サッカー選手のミーガン・ラピノー、人気歌手で音楽プロデューサーのファレル・ウィリアムスら多数の著名人が出演する予定だ。
自身の地元クリーブランドのアクロンで教育機関を運営しているレブロンは、特別番組の実施について次のコメントを発表している。
「アクロンの生徒とその家族にとって、勉強をすること以上に教育的な体験の方が重要であることを学んだ。生徒、生徒の両親、教育者、コミュニティメンバーらみんなで体験を共有し、一緒に同じ道を進むことが大事だ」
「しかし今はそれができない状況だから、どうにか各家庭の力になる方法がないか模索してきた。生徒たちの努力を見過ごすことはできない。この番組は本来あるべき卒業式のようにはならないけど、卒業生のために何か特別なことをしたいと思ったんだ」
「この数カ月は本当に大変で、特に2020年の高校卒業生たちのことを思うとつらい。高校の卒業式は、僕にとっても人生で最高の瞬間の一つだ。この状況はフェアではないが、僕たちが卒業生全員のことを気にかけていると知ってもらいたい。微力ながらこの番組が力になれたらうれしいよ。今年の卒業生たちは辛抱し、耐えることを知っている特別な存在だ」
一生の思い出になる卒業式に代わる何かをしてあげたい。レブロンのコメントからは、生徒たちを思う気持ちが伝わってくる。