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『真剣勝負の雰囲気』を期待される存在

NBAオールスターに相応しい選手は数多く挙げられるものの、5人のスターターに選ばれるのはそう簡単ではない。毎年のことながら、東西カンファレンスのフロントコート3選手、ガード2選手を絞り込むのは至難の業だ。実力、知名度ともにトップクラスであっても、ポジション別のカテゴリーが採用されている現行の方式で外れてしまう選手も出て来る。その筆頭が、サンダーのラッセル・ウェストブルックだ。

昨年に続いて今年の投票でも、ウェストブルックはステフィン・カリー、ジェームズ・ハーデンに次いで西のガード部門3位となり、スターターの座を逃した。

それでもウェストブルック本人は、昨年の落選後と同様に平然としたもので、「オールスターに選出されても選出されなくても、影響は何もない」と語る。「どの選手がオールスターに相応しいかとファンが考えた結果が出た。それで自分の何かが変わるわけではない。オールスターに選ばれるためにプレーしているわけではないから。俺は優勝するためにプレーしているんだ」

今年のオールスターゲームでは、両カンファレンスの最多票数獲得選手がキャプテンとなり、各々がカンファレンスに関係なくドラフトで選手を指名して12選手のロスターを編成する、という試験的なフォーマットが導入される。スターターは落選したウェストブルックだが、ヘッドコーチの投票で決まるリザーブには間違いなく選出されるだろう。となると、あとはどちらのキャプテンに指名されるか、どんなチームでプレーするかで、今年の球宴の雰囲気も変わる。

オールスターに『真剣勝負の雰囲気』を求めるファンにとっては、良くも悪くも空気を読まずに全力でプレーするウェストブルックには期待したいところ。またエンタテインメント重視のファンは、ウェストブルックとケビン・デュラントの因縁がどのような形でオールスターで見られるのか関心を持っているだろう。チーム・カリーはケビン・デュラントの指名が濃厚。ウェストブルックがチーム・レブロンに指名されればデュラントとの緊張感あるマッチアップが見られるはずだ。