セクー・ドゥムブーヤ

感染リスクを覚悟の上で、家族とともにいることを選択

新型コロナウイルスの感染者数が日に日に増加しているのは日本だけではない。今は不要不急の移動、人との接触を控えるべき時期だが、ピストンズのルーキー、セクー・ドゥムブヤはフランスに戻ることを決めた。

NBAは、3月中旬に2019-20シーズンの中断を決めた後、重要なケースを除いて、選手に都市または州をまたいでの移動を避けることを推奨している。だがドゥムブヤは、家族のそばにいるべきと考え、帰国した。

ドゥムブヤはギニア共和国の生まれだが、幼少期に家族とともにフランスに移住。昨年のドラフト全体15位でピストンズから指名された。ルーキーとして迎えた今シーズンは思い切りの良いプレーで評価を勝ち取り、38試合に出場。ローテーションの一角としてプレータイムを得て、平均6.4得点を記録していた。

ドゥムブヤの帰国は、コロナウイルスに感染する可能性が増す類のものだが、リーグは選手の移動を禁止しているわけではない。どういう行動を取るかは一人一人の判断に委ねられている。また、NBAのシーズンの再開はいまだ検討されてもいない。コミッショナーのアダム・シルバーも「今は何かを決断できる状況にすらない」とコメントしたばかりで、仕事上はアメリカを離れても支障はない。

ちなみにドゥムブヤはまだ19歳で、現在のNBAで最年少の選手。それでもピストンズに指名される前にはフランスで3年のプロ経験があり、その存在は注目されていた。先が読めない事態が長く続く今、彼が家族とともにいることを選択するのは理解できる。ただ、移動に伴う感染リスクには最大限のケアを求めたい。