文=丸山素行 写真=鈴木栄一

前半でダブルスコアをつけた京都の圧勝劇

天皇杯ファイナルラウンドの第1試合、京都ハンナリーズvs西宮ストークスの一戦。Bリーグでのここまでの対戦成績は1勝1敗とイーブンだが、この試合では京都がオフェンスリバウンドとシュート成功率で圧倒、大差で西宮を下した。

序盤から京都はオフェンスリバウンドの高い意識でポゼッションを獲得し、セカンドチャンスポイントを奪って先行する。伊藤達哉の9得点を筆頭に6選手が得点を挙げるなど、バランスの良いチームバスケが機能した。オン・ザ・コート数は「1-2-1-2」と固定のレギュレーションとなっている今大会、25-16と京都がリードしてオン「2」の時間帯を迎えると3ポイント攻勢でリードを広げていった。

ローレンス・ブラックレッジが内外からこのクォーターだけで10得点を挙げれば、ジュリアン・マブンガも5得点4アシストと攻撃の起点として大いに機能。スムーズなボールムーブから次々とフリーのチャンスを作っては決めていった。第2クォーターに8本中7本の3ポイントシュートを成功させ、33-13と圧倒。前半を終えて58-29のダブルスコアと大差をつけた。

後半に入り、西宮は道原紀晃がアグレッシブにリングにアタックし、梁川禎浩も8得点を挙げるなど前半とは違った姿を見せた。それでも攻守ともにチームバスケが機能した京都が第3クォーターでも上回り、最終スコア95-72でベスト4へ進出した。

攻守に奮闘した永吉「成長するために京都に来た」

序盤にインサイドでイニシアチブを得たことが、その後の展開を有利に進める一因となっていた。タイムシェアを徹底した中でチーム最長のプレータイムを得た永吉佑也もリバウンドがカギだったと語った。「全員でリバウンドに行け、絶対にリバウンドを取られるなと言われていました。自分たちのベースを徹底できたのでオフェンスもしっかり展開できたと思います」

今シーズンの永吉は日本人ビッグマンとして4番でプレーするだけでなく、チームがビッグラインナップを起用すれば外から3ポイントシュートも放つ3番寄りの選手へと変貌を遂げている。「3番でやっているというより、チームのシステムの中で臨機応変にバスケットしてる感じです」と、その起用さが京都に来てコート上で良い形で発揮できている。

永吉は「自分が成長するために京都に来たので、アグレッシブにやり続けます」と今年の目標を語る。「大きい体育館の独特の雰囲気に飲まれそうになりましが、汗をかいて慣れてきました」と笑う余裕さえあった。

中1日を置いての準決勝は千葉ジェッツとの対戦となる。