ダニーロ・ガリナリ

「イタリアで起きていることはアメリカでも起こり得る」

新型コロナウイルスは世界中で感染が拡大し、アメリカでは感染者が10万人を超え、世界最多となった。

サンダーのダニーロ・ガリナリは、医療従事者や65歳以上の人など感染リスクの高い人々をこのウイルスから守るために、オクラホマシティの保健局に資金援助をした。保健局は400個のコロナウイルス検査キットに加え、スタッフ向けの感染護用具を調達する。

ガリナリは『ESPN』の取材で「これらを必要としている人がいる。もし僕の力で助かる人がいるなら助けたい」と語った。「僕は今アメリカで起きていること、僕の家族がイタリアで経験をしたことを知っている。イタリアで起きてしまったことを参考にして、オクラホマでも対策できれば感染を緩和できるはずだ」

ガリナリの母国イタリアは、アメリカよりも早くに新型コロナウイルスの感染が広がった。イタリアにいる彼の家族は1カ月以上も自宅待機を続けているという。ガリナリの家族は無事だが、友人の祖母や母親が亡くなったとガリナリは明かす。

「コロナウイルスによる影響は本当に深刻だよ。僕の親友の家族もウイルスの影響を受けてしまった。本当につらい話だけど、これは終わった話じゃない。今も世界中で起きていることなんだよ」

彼はアメリカでの感染拡大が分かる前からアリーナを閉鎖すべきと話していた。その後、ジャズのルディ・ゴベアがコロナウイルスに感染したことを受け、NBAは即座にリーグを中断した。

「僕はこの事態を予測していたわけじゃない。ただ、イタリアで起きていることはアメリカでも起こり得ると、みんなに伝えたかった。幸いにもNBAはゴベアの感染を知って、すべてを中止にした。リーグの判断は素晴らしかったよ」

今も感染者は増え続けているが、ガリナリは「この状況を抑える方法はまだあるし、今からでも手遅れではない」と言う。

「重要なのは国民一人ひとりが、自分のすべきことを理解する。これは明日だけやれば良いんじゃない。数カ月も続くかもしれない。少しずつ互いに助け合うんだ。地元で助け合えば、いずれアメリカ全体に繋がる。そうすれば感染者数を抑えられるかもしれない」