シカゴ出身の名選手が生前に着けた思い入れのあるナンバー
2011年のシーズンMVP受賞者デリック・ローズが、ブルズからニックスへトレードされたという驚きのニュースが世界中を駆け回ってまだ2日。ローズは、新天地ニックス入団会見に出席し、来シーズンに向けた意気込みを語った。
ローズは、トレードされた理由は分からないと前置きしつつも「ブルズには感謝を伝えたい」とコメント。集まったメディアは、ローズが皮肉を言ったと思い笑ったが、本人は「いや、そうじゃないんだ。新たなスタートを切る機会を与えてもらえたと思っている」と説明した。
新天地では、背番号もブルズ時代の1番から25番に変更となる。25番は、ローズが母校シメオンキャリア・アカデミー高校時代に着けていた番号で、同校の伝説的な名選手ベン・ウィルソンが着けていた番号でもある。アメリカでもトップクラスの選手と評価されていたウィルソンは、1984年に銃で殺害され、プロとして活躍する機会を手にする前に17年の短い生涯を終えた。
ローズは、2009年に母校が25番を永久欠番化した際、その式典に出席して「この番号を着けられたのは光栄だった」と話している。
「この学校で25番を着けるのは、重い責任が付いてくる。誰が向かってきたとしても、全力でプレーしないといけない。すべてのポゼッションに絡むプレーをしないといけないんだ」
ニックス入団会見で背番号変更の理由を聞かれたローズは、「シカゴは、僕にとって地元以上の存在で、今の自分に成長させてくれた街だ。家族も友人もいる。それが背番号を25番に変えた理由でもある。これからはニューヨークでプレーするけど、シカゴ時代の何かを持って行きたいと思ったんだ」
シーズンMVPを受賞した2011年の前年のオフと同じくらい集中してトレーニングをしていると語ったローズは、「来シーズンは何か特別になる感じがしている」と続けた。
他の選手にとっては意味のないものだろうが、あえて思い入れの深い、そして背負う意味を理解している25番を選択したところに、完全復活を誓うローズの決意のほどが感じられるのではないだろうか。