「こういう時こそ団結する必要がある」
アメリカ政府はコロナウイルスの感染拡大を防ぐために、日本を含む全世界への渡航警戒レベルをもっとも厳しいレベル4に引き上げるなど、異例の措置を取っている。
また、ドナルド・トランプ大統領が新型コロナウイルスを『中国ウイルス』と呼んだことも物議を醸している。そんな中、元NBAプレーヤーのジェレミー・リンが自身のTwitterで「アジア人への差別を強めるだけ」と、反論した。
「このウイルスの不適切な情報により苦しむ人々がいる。あなたの影響力はとても大きく、それによって差別を受ける人だっている。あなたの力で弱った人々にサポートをしてほしい」
新型コロナウイルスは中国の武漢で最初の感染拡大が確認され、その後に全世界へと広まった。そのため、アジアコミュニティが人種差別を受けているニュースはたびたび出ていた。
今回の発言だけでなく、日頃からアジア系アメリカ人が欧米で受ける差別についてもリンは言及した。
「アジア系アメリカ人が風疹などの疾患でも日常的に脅かされ、世間からも差別されていることは知っているし、そういうことは聞きたくない。それに私は『リン』という名前の歴史をわざわざ話すことだって、くだらないと思っている。とにかく、今分かっていることは、このアンチ中国発言はアジア人に対する憎しみを強めるだけだということ」
それと同時に、リンはアジア人がもっと自発的に行動すべきだとも語る。
「アジア人は昔から、自ら声を発したり、自分たちのために立ち上がったりすることをあまりしない。だけど、それは良いことではないよ。こういう時こそ、本当に団結する必要があるはずだ。このウイルスにみんなで一緒に戦おう。手を洗って、現状を真摯に受け止めて、安全を守ることが大切だ。僕たちには『信仰』、『希望』、『愛』の3つがまだ残っている。この3つのうち一番大切なのは愛だ」
リンはすでに中国とUNICEF USAに、それぞれ15万ドル(約1600万円)ずつを寄付している。さらに世界中にも寄付を呼び掛けるなど、新型コロナウイルスによって苦しむ人々や、サポートしている人への支援を行っている。
リンが言うように、今は起きてしまった出来事を批判するのではなく、全世界が団結してこの困難を乗り越えなければいけない。