「バスケットボールを取り巻く環境が大きく変わりました」
昨日、Bリーグは会見を開き、3月20日から4月1日にかけて開催予定だったB1、B2の95試合の中止を発表した。
Bリーグは今後のリーグ戦を無観客で実施することを決めたばかりだったが、主に2つの理由で今回の決定に至ったという。一つはNBAのリーグ中断だ。大河正明チェアマンはこう説明する。「3月11日に会見した後、NBAが中断するニュースが舞い込んできました。さらにサッカーのヨーロッパの5大リーグが中断となり、Gリーグも中止ということで、バスケットボールを取り巻く環境が大きく変わりました」
NBAはジャズのルディ・ゴベアがコロナウィルスに感染し、その試合が中止に。事態を重く見たNBAはすぐさまシーズンの中断を決定した。
もう一つは、Bリーグで無観客試合を実施するにあたっての行動指針が不十分だったことだ。
「審判の方は前日、会場入り後も熱はなかったですが、最後の検温で微熱がありました。万が一を考えた時に、他の審判の2人も不安になる。やってみて分かることもありました。行動指針をしっかりと作ったつもりでしたが、いろんなことが起きました。選手にプレーする気持ちがあってこその試合になるわけですが、そこで難易度が高いことが2試合起きてしまい、2試合が中止になりました」と、大河チェアマンは説明した。
中断を決めるにあたり、大河チェアマンは選手会のメンバー8名と意見交換をし、それを踏まえて臨時の実行委員会を開催した。その実行委員会には選手会会長の田口成浩(千葉ジェッツ)も参加したという。ヒアリングの結果、「選手や一部のヘッドコーチも含め、安全の確保がしっかりと伝わっていないと感じた」と大河チェアマンは言う。
今回の決定はあくまでリーグの中断であり、4月4日からの再開を目指している。そのためには「何があってもこの行動指針があれば試合ができる指針を作る」ことが求められ、「選手、クラブ、リーグが一枚岩になることが最低条件」と、大河チェアマンは宣言した。
関係者すべてを納得させる行動指針を作ることは簡単ではない。それでもリーグはこの課題に取り組む。