ジャマール・クロフォード

「それまでに一度もやったことがなかった」

2019-20シーズンのクリッパーズはカワイ・レナード、ポール・ジョージの二枚看板を揃えて優勝候補に挙げられているが、一昔前のクリッパーズは、クリス・ポール、ブレイク・グリフィン、ディアンドレ・ジョーダンらが主力のチームだった。

当時のクリッパーズはガードのポールらからのロブパスを、グリフィンやジョーダンらフォワードとセンターがアリウープでフィニッシュさせるプレーを多く決めていたことから、『ロブ・シティー』という別名で呼ばれていた。

当時のチームが決めていたアリウープの中でも特に印象に残っているのは、2013年3月にステイプルズ・センターで行われたバックス戦でのものだろう。

クリッパーズがスティールでボールを奪うと、シックスマンとしてチームを支えていたジャマール・クロフォードにパス。するとクロフォードは空中で股の間を通すレッグスルー式のロブパスを放り、これをグリフィンが掴んで迫力満点のウィンドミルダンクでフィニッシュ。この一撃にファンも、チームメートも総立ちとなった。

さぞかし練習中から温めていたプレーだったかと思いきや、アシストしたクロフォードによれば、ほぼ即興だったという。クロフォードは、このプレーの動画にコメントを加えて、Twitterに『秘話』を投稿した。

「裏話を教えようか。このプレーは、シーズン前の9月にブレイクと話していただけで、それまでに一度もやったことがなかったんだよ!そして3月を迎えて、スティールからボールを受けて後ろを振り返ったら彼がいて、『アレをやろう』と言われてね。『BG、かませ!』と思って放ったら、きちんと掴んでウィンドミルで決めてくれたんだ。反響については、言うまでもないね」

華やかなプレーが多かった当時のクリッパーズだったが、プレーオフでは結果を残せず、球団は2017年にポールをロケッツに、2018年1月にはグリフィンをピストンズにトレードすることを決断。こうして、『ロブ・シティー』は解体された。

39歳のクロフォードは今シーズン無所属状態だが、現役を引退する意思は示していない。再びNBA選手としてコートに立つ機会があれば、違う相棒と再び即興で信じられないプレーを見せてくれるのではないだろうか。