写真=Getty Images

7年前のプレーオフで実現した壮絶なガチンコ勝負

今シーズンはキャバリアーズでともにプレーしているレブロン・ジェームズとドウェイン・ウェイドは、2010年から4年間ヒートで一緒に戦い、2012年と13年に連覇を果たした。

今度はクリーブランドに場所を変えてのタッグ結成となり、打倒ウォリアーズに向けて新たなチーム作りに力を注いでいる。そんな2人が、ポッドキャスト番組『Road Trippin' podcast』にゲスト出演した際、興味深いエピソードを明かした。

番組内でチャニング・フライから、「5000万ドル(約56億円)賭けて1on1で対戦したら、どちらが勝つ?」と聞かれた2人は、過去に1度だけ真剣モードで1on1で戦ったエピソードを語った。

レブロンが「昔、一度だけ本気でマッチアップした。あれはヒートでの1年目、2010-11シーズンの東カンファレンスファイナルだよな」と語り始めると、ウェイドもすぐに思い出し「初戦でブルズに負けた後だった。チームメートにどういう気持ちで戦う必要があるかを示すためにやったんだ」と続けた。

2011年5月16日、ヒートは同年のシーズンMVPを受賞したデリック・ローズが率いるブルズに82-103で完敗を喫した。短期決戦ということ、そして勢いに乗るローズが相手だったということを考え、「このままでは負ける」と感じた2人は、翌日の練習開始前、2人で真剣勝負を行なうことにしたという。

ウェイドが「お互いに止めようとしなかったよね」と言えば、レブロンは「そう、止めようとしなかった。(ヘッドコーチのエリック・スポールストラに)笛を吹かれるまで止めなかった」と返す。

ウェイドは言う。「チームのみんなが俺たちを見ていた。俺たちは本気で競い合った。でもそれは『こういう気持ちで戦わないといけない』という姿勢を見せるためだったんだ。『これは東カンファレンス決勝で、お互いに命のやり取りをするような戦い。明日の第2戦では、こういう試合をしないといけないんだ』とね」

第1戦で敗れたヒートだったが、続く第2戦から4連勝でファイナルに進出。レブロン、ウェイド、クリス・ボッシュによる『スリー・キングス』時代の初年度は、惜しくもマーベリックスの前に敗れたが、翌シーズンから連覇を達成した。

番組内では、レブロンもウェイドも、この時の対戦でどちらが勝ったのかは明かしていない。この時の勝者が語られるのは、きっと2人がコートを去った後になるのだろう。

今から7年前ならば、レブロンもウェイドも20代半ばで、NBAのトップスター選手でありながら疲労など気にせずいくらでも練習できた頃だ。その1on1を間近で見られただけでも、当時の若手にとっては何にも代え難い経験になったに違いない。