取材・写真=古後登志夫 構成=鈴木健一郎

インターハイを制し、今回のウインターカップでも優勝候補に挙げられる福岡大学附属大濠。チームを支えるのはキャプテンの永野聖汰や200cmのビッグマン井上宗一郎といった3年生だが、力強いバスケットを可能とする動力源は2年生の選手たちだ。U-19日本代表としてワールドカップを経験した中田嵩基と、片峯聡太監督が成長株として名を挙げた浅井修伍と土家大輝の2年生トリオに話を聞いた。

[INDEX]ウインターカップ2017プレビュー 出場校インタビュー

「自分たちが中心となって来年につなげていく」

──ウインターカップで負けたくない相手、ライバルはいますか?

浅井 ベスト4で当たる福岡第一です。一緒の地区でずっとやってきて、お互いに手の内を知っている相手です。意地でも負けたくない、という気持ちがあります。松崎(裕樹)は中3の時にビッグマンキャンプで一緒になって、その時から知っているので、あいつには負けたくないです。

中田 福岡第一には今年もこれまでは負け越しているんですけど、あまりすっきりしない気持ちもあって。自分が代表でいない時に負けたこともあったし。福岡第一とやるとなると、向こうも同じでしょうけど、負けられないというプライドが絶対に出てきます。何が何でも勝ってやろうという気合いの入ったゲームになります。そこで負けたくはないですね。

土家 僕は北陸学院です。中学校の時に合宿とかで大倉颯太さんにお世話になったんですけど、すごい自信を持っていました。みんなが認めるNo.1ですが、その颯太さんが地元に残って結果を出していて。そこで負けたら絶対に大濠が叩かれるし、また颯太さんがすごいとなります。結構自信を持っている人なので、その天狗の鼻を折りたいです。

中田 インターハイで優勝して、注意すべき敵はいますけど、敵より自分たちの力をどれだけ出せるかが大事です。自分たちとの戦いだと思います。自分の力が出せずに負けたのが去年の北陸戦でした。3年生にとって最後の大会で僕たちが足を引っ張らずに、自分たちが中心となって来年につなげていくという意識がないと、勝っても「良かったね」で終わってしまうので。そうじゃなくて、自分たちが何を残したのかを明確にしていきたいです。だからこそまずは自分たちのプレーをどれだけ出せて、どれだけ観客の人たちに楽しんでもらえるかが大事だと思います。

中田「リーダーとして誰にも負けたくない」

──ウインターカップでは、チームと自分のどんなプレーを見てもらいたいですか?

浅井 自分が見てほしいところは、いつでも走るところと絶対にオフェンスリバウンドに絡むところです。コーナースリーも絶対に決めます。大濠は、どこのチームよりも泥臭くプレーします。そこを見て応援してください。

土家 最近心掛けているのはプレッシャーディフェンスです。自分が出た時にしっかり前から当たって、ハッスルすることで周りがついてきてくれると思うので、そういった場面でしっかり流れを変えられるようにしたいです。チームとしては昨年まではなかった泥臭さが出てきています。留学生がいない分、しっかりインサイドでコミュニケーションを取りつつ支え合ってやっているので、そこを見てほしいです。

中田 自分はそんなにうまい選手ではないので、泥臭いプレーと声を出してリーダーシップを取る姿は誰にも負けたくないです。リーダーということについても誰にも負けないつもりでやっているので、そこを見てほしいです。チームはインターハイの時と比べて一回り大きくなった姿を見せられると思います。みんなが楽しんでバスケットボールをやっているところがチームの売りです。泥臭さ、プラス格好良さ、プラス楽しさを表現できたらなと思います。

──いよいよ開幕が近づいてきましたが、緊張はありますか?

浅井 相当緊張すると思います。

土家 僕は去年もウインターカップで試合に出させていただいたし、中学校の時もそういう大舞台に立っているので、一生懸命やれば何とかなると思います。結構燃えています。燃えて空回りするか、良い方に出るかっていう。

中田 インターハイはインターハイだったので、ウィンターカップはチャレンジャーとして臨みます。そう考えれば怖いものはないんじゃないかなと。個人的にはインターハイの時もそうでしたけど、一人だけ代表に入ったというプライドを持ってどんな時もやっていきたいです。ウインターカップだから何かあるのだとしたらそのプライドで、あまり緊張はしないタイプです。