文・写真=鈴木栄一

79-69のスコア以上に盤石の勝利

12月10日、アルバルク東京が本拠地のアリーナ立川立飛で大阪エヴェッサと対戦。第1クォーター序盤から先行するなど常に主導権を握る盤石の試合運びで79-69と逃げ切った。99-55で圧倒した前日に続いての勝利で、11月3日と4日の島根スサノオマジック戦から1カ月ぶりとなる同一カード連勝を達成している。

第1クォーター残り約5分、A東京はアレックス・カークの3ポイント、ターンオーバー奪取からの小島元基の速攻で16-5と先行。このまま23-16とリードしてこのクォーターを終える。第2クォーターに入ってもA東京の流れは続き、ザック・バランスキーの3ポイントシュートでリードを17点にまで広げる。だが、ここから大阪もジーノ・ボマーレに奮闘で9点差にまで縮めて前半を終える。

この良い流れを後半につなげたい大阪だったが、第3クォーターに入るとA東京は持ち味の激しいプレッシャーによる堅守に加え、この試合で21得点を挙げたカークの連続得点ですぐに突き放す。結局、後半は常に2桁リードを守ったA東京が、スコア以上に危なげない試合運びで勝利を飾った。

A東京は『勝って兜の緒を締める』

A東京のルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチは、「2連勝できたことには選手を称えたい」と約1カ月ぶりとなる同一カード連勝に満足した様子。「第2クォーター終盤に7点差までリードを縮められた後に突き放すなど、コントロールすべきところはしっかりできました。それは激しいディフェンスでしっかりプレッシャーをかけられたからです」とディフェンスを勝因に挙げている。

ただ、指揮官は、「試合を通して集中力が欠けている時間帯がありました。ソフトなディフェンスだったり、ターンオーバーを喫したりして相手にイージーバスケットを与えてしまったのは反省点。こういうところを改善し、40分間通して自分たちのバスケをしっかりやらないといけない。それができたらもっと勝ち星が増えていきます」と反省すべき点もあったと言及。『勝って兜の緒を締める』ことの大切さを強調している。

低迷続く大阪、ディフェンスの粘りが課題に

連敗となった大阪の桶谷大ヘッドコーチは「昨日に比べて戦う意思を見せてくれました」と語るも「試合を通して良くなかったのは、ターンオーバーで勢いを与えてしまったこと。第1、第3クォーターでターンオーバーから連続得点を与えてしまったケースがあり、その部分をこれからいかに減らしていくか」と、自分たちのミスで試合の流れをつかめなかったことを悔やんだ。

6勝15敗と黒星が大きく先行し、厳しい戦いが続く大阪だが、ここからの巻き返しの鍵となるのは、いかに粘り強くタフなディフェンスを継続できるか。「ハーフコートの守備についてある程度やりたいことはできていましたが、あと一歩の詰めが足りずに簡単にシュートを打たせてしまっています。一つのひとつのポゼッションをどれだけ大切にするか。この部分で練習からもっと厳しくしていかないといけない」と桶谷ヘッドコーチが語るこの『あと一歩の詰め』をチーム全体で実践していくことで、浮上のきっかけをつかみたいところだ。