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精神的成熟を求める指揮官カーの親心?

ステフィン・カリー、ケビン・デュラント、アンドレ・イグダーラら昨シーズンの優勝メンバーと今夏に再契約を結んだウォリアーズ。サラリーキャップの関係でインサイドの補強に資金を回す余裕がなかったのだが、ルーキーのジョーダン・ベルがいきなり活躍したことで、インサイドの選手層という課題が解消した。

ベルは、開幕からローテーションに加わり、『兄貴分』であるドレイモンド・グリーンの帝王学を受けながら日々レベルアップに取り組んでいる。しかし、ここ5試合でプレータイムを得られたのは1試合、ネッツ戦の3分間のみ。ケガをしているわけではないがコートに立てない状況に、『The Athletic』に「大学1年に戻った感じ」と語った。

「コーチからは、『これがルーキーライフだ』と言われているんだ。自分のプレーが悪いわけではなくて、プロフェッショナルな選手にならないといけない。そして、いつ呼ばれても良いように準備を整えていないといけない」

気になるのは、「プロフェッショナルな選手にならないといけない」という発言。ベルと言えば、10月23日のマーベリックス戦で『セルフ・アリウープ』を決め、物議を醸したシーンが印象的だ。

「いくら大差がついていたとはいえ、新人の行動としては対戦相手への礼を欠いている」と批判され、スティーブ・カーもこの行為を咎めた。プレータイム減少の理由は明らかになっていないが、目先の出場機会よりも将来的な成熟を考える指揮官の親心とも推測できる。ドラフト前の評価は決して高くなかったが、開幕から短いプレータイムとはいえ王者ウォリアーズのローテーションの一角に加わっただけに、これからの成長も楽しみな逸材だ。

それだけに、心身ともに『プロフェッショナル』に成長することが必要だとカーが判断したのであれば、ベルとしては真摯に受け止めて成長の努力をするしかない。チャンスはそう遠くないうちにやって来るはずだ。