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第1クォーターにシクサーズ47得点の荒稼ぎ

11月18日、ウォリアーズは4戦連続アウェーゲームの2戦目、セブンティシクサーズに臨んだ。試合を前にスティーブ・カーは3日前のレイカーズ戦で46得点と大暴れしたジョエル・エンビードについて「映像を見たが、とんでもない出来だった。試合ごとに成長していく彼の姿を見るのは楽しいよ」とコメント。よほど警戒していたに違いないが、エンビードはそれ以上のプレーを見せた。

第1クォーターにシクサーズが走る。エンビードは効率良く7得点を稼ぎ、ベン・シモンズはポイントガードとしてパスをさばきながらフォワードばりの得点力を発揮して7得点5アシスト。ロバート・コビントンとJJ・レディックのシュートも当たりまくり、何と47得点を叩き出した。最後にステフィン・カリーが自陣から放ったシュートが外れ、47-28で第1クォーターが終了すると、2万人を超える観客はスタンディング・オベーションでチームを称えた。

第2クォーターもシクサーズはメンバーを入れ替えながら勢いを保ち、ケビン・デュラントの反撃に遭うも74-52とリードを広げ、前半終了の際には再びアリーナがスタンディング・オベーションに包まれた。ここまでは勢いでウォリアーズを圧倒する『シクサーズの試合』だった。

エンビード封じが功を奏してウォリアーズ逆転

しかし、後半に入るとウォリアーズが『王者の威厳』を取り戻す。第3クォーター最初のプレーは、コビントンからシモンズ、エンビードへとゴール下で素早くつなぐ連携からシクサーズが得点したが、ここからカリーとデュラントの連続得点で試合の流れがウォリアーズへと傾く。

一つのカギとなったのはザザ・パチューリアがエンビードを抑えたことだ。ポストプレーでボールを持たせても、フィジカルなディフェンスでゴール方向への反転を許さない。押し負けないだけでなく読みも良く、インサイドでエンビードにボールを預けられなくなったシクサーズの攻撃は停滞した。

残り7分21秒、速攻からパチューリアが放つレイアップをエンビードが背後から止めようと走るが、チェイスダウン・ブロックは外れ、自らはゴールの支柱に激突してベンチに下がる羽目に。約4分後に彼がコートに戻って来た時には86-82、リードはわずか4点となっていた。

ケボン・ルーニーのレイアップをブロックで叩き落すエンビードだが、もはやウォリアーズの勢いは1つや2つのブロックショットでは止められない。ラスト2分でウォリアーズが14-0のラン。この間、ルーニーとカリーのダブルチームで進路を阻まれたエンビードがトラベリングをコールされ、このジャッジに怒りを見せてテクニカルファウル。その直後のプレーでヘッドコーチのブレット・ブラウンまでテクニカルファウルをコールされ、チームは崩れていった。

シクサーズ指揮官「やっぱり彼らはチャンピオン」

第3クォーターのスコアは47-15。ウォリアーズは第1クォーターに喫した47失点をきっちり取り返すとともに、一気に逆転に成功。99-89と2桁のリードで第3クォーターを終えた。最終クォーターは余裕を保ちながらのプレーで時計を進め、最終スコア124-116で勝利した。

スティーブ・カーは「前半は集中できていなかった」、ドレイモンド・グリーンは「守りに回ってしまい苦戦した」と、逆転勝ちしたにもかかわらず立ち上がりの低調なプレーを悔やむ。一方のシクサーズの指揮官ブラウンは「やっぱり彼らはチャンピオン、4人のオールスター選手を擁する選手だよ」と相手を称えた。

エンビードは言う。「前の対戦(11月11日)も第3クォーターにやられていたから、油断していたわけじゃない。前回はダメだった。今回も結局はまたダメだったということさ」。ただ、前回の21点差から8点差へ。そして作った見せ場も格段に増えている。ウォリアーズとの対戦は今シーズンこれで終わりだが、若いチームにとってまだシーズン序盤のこの時期に王者と戦い、チームの現在地と課題を把握できたのは貴重な経験になるはずだ。