写真=小永吉陽子

選考主体とした選手起用の弊害、終盤にディフェンスが崩壊

中国の蘇州で行われている『Atlas Challenge』はグループリーグを終えてトーナメントへ。もっとも日本代表は1勝2敗でグループ上位2位までに入れず、5位から8位を決める順位決定戦に回っている。18日の対戦相手はアメリカ代表。この大会に参加しているのはアイダホ大学のバスケットボールチームだ。

日本代表としては、来月の五輪世界最終予選(OQT)へのチーム作りが第一優先。選手個々としても、現在の16名から最終メンバー12名への絞り込みを控えており、選考の場でもある。というわけで、「勝ちにこだわる」という意識はありながらも、他の思惑も抱えながらの試合となった。

この試合では竹内譲次、比江島慎といった主力がベンチ外。グループリーグの3試合でプレータイムのあまりなかった広瀬健太、小野龍猛がスタメン起用された。前半から日本は次々とメンバーを入れ替え、第2クォーター途中でベンチメンバー全員が出場。これまで出場機会の少なかった橋本竜馬、辻直人もプレータイムを与えられて持ち味を発揮した。

接戦ながらリードを保って試合を進めた日本代表だが、第4クォーターにチームとしてのまとまりのなさが露呈してしまう。それまでは渡邊雄太、ファイ・パプ月瑠が中心となって抑えていたリバウンドが取れなくなり、相手が強引な1対1を仕掛けてきた場面で守り切ることができず。残り8分30秒に同点とされると、終盤に相手の3ポイントシュートに当たりが出たこともあって、そのまま一気に突き放された。

第4クォーター開始時点では51-44と7点リードだったのが、終わってみれば64-74と2桁の差。第4クォーターのスコアは13-30だった。コートとベンチで目まぐるしく入れ替わった選手たちが個々で奮闘した一方で、そのためにチームとして試合のリズムをつかむことができず終盤にディフェンスが崩壊。学生とは言えアイダホ大学はNCAAディビジョン1の強豪で、すべての選手にプレー機会を与えながら勝ち切ることは難しかった。

今日(19日)が本大会の最終日。日本は初戦で中国相手に勝利したものの、そこから3連敗で7位決定戦に回ることに。現地14時(日本時間15時)から行われる試合の相手はベラルーシ。グループリーグで延長戦の末に敗れた相手との再戦、勝って締めたいところだ。

プレータイムを与えられた橋本は、果敢なドライブを再三仕掛けてオフェンスを引っ張った。
アイダホ大は第4クォーターになってNCAAディビジョン1の実力を発揮、逆転勝利を収めた。