写真=Getty Images

高校時代からのルーティンを禁止されて成功率ダウン

10月28日のブルズ戦で今シーズン3回目のトリプル・ダブルを達成し、NBA史上初となる所属チームを除く29チームを相手にトリプル・ダブルを記録したラッセル・ウェストブルック。『ミスター・トリプル・ダブル』は今シーズンもほぼ『平均トリプル・ダブル』(20.8得点、9.8リバウンド、12.2アシスト)を維持しているのだが、一つ困った問題に直面している。

それは、これまで続けてきたフリースローのルーティンを禁じたNBAの『新ルール』への対応だ。リーグは今シーズンから、試合時間の短縮を目指すため、フリースローを獲得した選手が、試投時の合間に3ポイントラインを越えることを禁止した。ウェストブルックは、これまで常にフリースロー試投時の合間に必ず3ポイントラインを越える動作を繰り返し行ない、精神を集中させてきた。それを禁じられたことで、今シーズンは6試合を終えて39本中24本成功、成功率は61.5%に減少。キャリア成功率82.1%を記録していることを考えれば、『新ルール』によりリズムを狂わされていることが分かる。

今はまだいいが、シーズン終盤戦、もしくはプレーオフに入ってもフリースロー成功率が戻らなければ、故意に成功率の低い選手を狙ってファウルを仕掛ける『ハック戦術』の犠牲になる可能性さえある。それでもウェストブルックは「高校の頃から続けていたけど、ダメとなれば何か他の方法を探さないといけない。でも、大丈夫だと思う」と、時間が解決すると信じている。

シューティングファウルに対する基準を厳格化した通称『ジェームズ・ハーデン・ルール』といい、スター選手たちは新たなルールにも対応しなければならない。この『ラッセル・ウェストブルック・ルール』に本人がどう対応し、新たなルーティンを生み出すのか、これからの試合でウェストブルックがフリースローを得た時の動作にも注目したい。