田中大貴が値千金の決勝弾、アルバルク東京が川崎ブレイブサンダースとのハイスコアリングゲームを制す

2017/10/26
Bリーグ&国内
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文・写真=鈴木栄一

乱打戦のクロスゲームを田中大貴の一発で制す

10月25日、アルバルク東京がホームに川崎ブレイブサンダースを迎えて対戦。田中大貴の25得点を筆頭に6人が2桁得点を記録したA東京が99-91で強豪対決を制した。

第1クォーター、まず先手を取ったのは川崎で、このクォーターだけで12得点を挙げたニック・ファジーカスを中心に次々とシュートを決めて28-16と大きなリードを奪う。しかし第2クォーターに入るとA東京が一気に盛り返す。田中がシュート5本中5本成功で計11得点、ジャワッド・ウィリアムスが3ポイントシュート2本成功の6得点で牽引して一気に追い上げ、前半を終えて川崎の1点リードと接戦になる。

第3クォーター、前半の良い流れを維持するA東京が序盤にアレックス・カークのダンクで51-45と突き放しにかかるが、川崎もすぐに盛り返す。そして、ここからは僅差での息詰まる攻防が第4クォーター終盤まで続いていく。試合残り約1分半、A東京はカークの得点で90-89と勝ち越すと、残り47秒に田中が値千金の3ポイントシュートシュートを沈め、リードを4点に広げた。

直後に川崎はタイムアウトを取ると、次の攻撃で辻直人が3ポイントシュートを放つも失敗。あとはA東京が確実にフリースローを沈め、激しい点の取り合いを制した。

ファジーカス40得点もA東京は「プラン通り」

A東京のルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチは、「まず選手は本当に良くプレーしました。川崎のような良いチームにこれだけ点数を取れて勝てるのは喜ばしいことです。第1クォーター、出だしでアグレッシブに欠け、タフにプレーできていなかったのは反省点です。しかし、中盤でディフェンスを引き締め、相手に簡単に点数を取られないようにと話し、それができたことで第1クォーターの12点ビハインドを詰めることができました。」とまずは総括する。

また、川崎のエースであるファジーカスに対しては、相手のピック&ロールに対してスイッチで対応することで、安藤誓哉や小島元基といった小柄な選手に結果的にマークすることになり、彼らの上からファジーカスにシュートを決められるなど計40得点を献上したが、それでも基本的には1対1での対処を続けた。

その理由を指揮官は次のように語る。「スイッチをしてガードがファジーカスにつくのは意図的です。彼に40点取られましたが、もしここでディフェンスに変化をして30点に抑えたとしても、他の多くの選手に10点、15点を取られると、これは川崎にとってバランスの良いオフェンスになってしまいます。それは避けていきたい。スイッチをしてファジーカスにタフショットを打たせるのがプランでした」

川崎の得点を見ると、ファジーカス以外で2桁得点を挙げたのは篠山竜青のみ。一方のA東京は、冒頭で触れたように6人が2桁得点をマークしており、指揮官の重視したバランスの取れた攻撃を展開できたことが勝利につながった。

不振の辻に「入ったら打つのではシューターではない」

敗れた川崎の北卓也ヘッドコーチは、「本当にエキサイティングなゲームで、自分で言うのもなんですけれど、面白いゲームだったと思います。ディフェンスもプラン通りのことをしましたが、3ポイントシュートを高確率で決められてしまった。ここまで高確率で決められると、ドライブも強い選手もたくさんいるので厳しいです。そして相手は2桁得点が6人で、これだと守るのが難しいです」と語り、今日はA東京のハイパワーオフェンスに脱帽といった様子だった。

両チームの指揮官が言及した攻撃のバランスだが、川崎にとって痛かったのはファジーカス、篠山との3本柱である辻が、3ポイントシュート5本中1本のみ成功の3得点に終わったこと。開幕前のケガによる調整不足からのシーズンインとあって、この試合に限らず辻はここまで得意の3ポイントシュート成功率が30.9%と苦しい状況が続いている。

しかし、それでも北ヘッドコーチは、辻への変わらない信頼を強調する。現役時代、自身も名シューターとして活躍した指揮官は、シュートを打ち続けることが重要だと語った。「辻はシュートが入らなくても打つべき。入らなくなるとパスばっかり考えてしまいますが、どれだけ外れても辻が打つことは相手にとって嫌なんです。辻が打たないと相手は楽なので、そこのメンタルをどれだけ切り替えられるのか。入ったら打つのではシューターではないです。入らなくても打ち続けるメンタルが出ないことには乗ってこないと思います。調子が戻ってくるのを待っています」

大きな盛り上がりを見せたリーグ屈指のライバル対決。昨シーズンと同様、今シーズンも白熱した戦いが続くことをあらためて感じさせるグッドゲームだった。