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「良いことも悪いことも受け入れないといけない」

10月19日にチェサピーク・エナジー・アリーナで行なわれた試合が終わった直後、この夏にニックスからサンダーに移籍したカーメロ・アンソニーはクリスタプス・ポルジンギスとハグして、いくつか言葉を交わした。ほんの数秒の会話が終わると、2人はそれぞれのロッカールームに向かった。

昨シーズンまで『ニックスの顔』として活躍したカーメロは、そのバトンをポルジンギスが受け取る時期が来たと考えている。カーメロは『NewsOK』にこうコメントしている。「彼にとって、今シーズンは非常に大事なシーズンになる。チームを代表する位置まで来た。今、どんなことだって受け入れないといけない。これから何が起ころうと、良いことも悪いことも受け入れないといけない」

昨シーズンまでは、『ニックスの低迷=アンソニーの責任』という図式が成り立っていた。大都市ニューヨークのメディアはアメリカ国内で最も辛辣だ。何かがうまく行かない時、批判の矢面に立ってチームメートを、特に若いポルジンギスを守ったのはアンソニーだった。「俺が批判を受けることで、彼がプレッシャーを感じないようにしたつもりだ。ただ、強要したくはないが、その役割を担う時が来た。目の前にある役割を受け入れる準備をしないといけない」

そのポルジンギスは、サンダー戦でゲームハイの31得点12リバウンドを記録。試合後、カーメロが務めたリーダーへの就任について「自分の力を疑ったことなんて一度もない。たとえそれがどれだけ大きな役割だとしても、自分の人生で最も困難なことだとしても、決して恐れない」と語った。

その意気込みは頼もしい限り。『ポルジンギスのチーム』と周囲に認めさせるには、残り81試合にフル出場し、チームメートを鼓舞し、自らのキャリアイヤーとしなければならない。

ただの有望株ではなく、成熟したスタープレーヤーと認めたからこそ、カーメロは重責を彼に託した。ポルジンギスにとって今シーズンは男の見せどころとなる。