ジョエル・エンビード

屈辱のアデトクンボ「前に進み続けるしかない」

セブンティシクサーズvsバックスのクリスマスゲーム。開幕からここまで27勝4敗と最高勝率をキープするバックスの優位と見られたが、実際は前半で21点のリードを奪ったシクサーズが試合を通じて優位に立ち、バックスは終盤に点差を1桁に縮めるのが精一杯。シクサーズが今シーズンベストとも言えるパフォーマンスの末、121-109で勝利した。

ジョエル・エンビードは31得点11リバウンドを記録。前半だけで23得点を奪いチームを勢いに乗せ、さらにはヤニス・アデトクンボを激しいフィジカルコンタクトでゴール下から締め出した。エンビードとアル・ホーフォードのタッグが、平均30得点のアデトクンボをフィールドゴール27本中8本成功の18得点に抑え込んだことは、勝利の大きな要因となった。

シクサーズはこれで23勝10敗。プレーオフ圏内をがっちりと確保しているのはもちろん、全米の注目を集めるクリスマスゲームに勝てたことでチームは勢いに乗れそうだ。試合後、報道陣に囲まれたエンビードも上機嫌で、「みんな俺が誰だか忘れているみたいだけど、そんなに騒ぐことかい?」とジョークを飛ばしている。「最善のコンディションを保ってプレーオフにたどり着きたいと思っているけど、チームに必要とされた時にはやってみせるのが俺だよ」

「プロセスを信じるんだ」と、エンビードはチームスローガンを持ち出す。「まだまだ先は長いけど、自分たちの進んでいる道が間違っていないと確認できた試合だった。そのことに満足している」

エンビードよりも落ち着いた性格のベン・シモンズも興奮気味。「自分たちに出せる限界までエネルギーを出せたと思う。今日のような試合ができれば、このリーグのベストチームとだって僕たちは渡り合える」

一方でアデトクンボにとっては屈辱的な敗戦となった。「彼らの方がハードに戦い、僕たちより良いゲームをしたのは認めなきゃいけない。でも、そんな試合があっても前に進み続けることが大切。下を向いている暇はないし、自分を信じ続ける。今夜の僕はベストなプレーができなかったけど、それでもチームメートは僕にボールを託してくれる。だったら打ち続けるよ」

シクサーズとバックスはまだレギュラーシーズンで3度の対戦を残しているが、本当の勝負はいずれ訪れるプレーオフでの対戦となる。そこまでにどんな『プロセス』を積み重ねるか。両チームともまだ成長過程にあるだけに、これからも目が離せない。