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力の差を見せ付けられレイカーズは開幕黒星スタート

クリッパーズとレイカーズ、ロサンゼルスに本拠地を置く両チームが開幕戦で激突した。レイカーズのホームゲームとあって、注目はやはりドラフト全体2位指名を受けたロンゾ・ボール。しかし、スタメン紹介の最後に名前が呼ばれ、『チームの顔』としてコートに入って来るまでは良かったが、ティップオフとともに『NBAの洗礼』に直面することとなった。

ロンゾにとって『NBAの洗礼』とはマッチアップ相手のパトリック・ベバリーに他ならなかった。NBAで最も激しいディフェンスをする選手の一人であるベバリーが、プレーオフぐらいの勢いで当たって来た。一番最初は個人ファウル1つを献上するのを承知の上で身体をぶつけ、吹き飛ばしてきた。それがベバリーの挨拶。その後も激しいディフェンスで食らい付いた。

大物ルーキーも、ベバリーが相手では分が悪い。デビュー戦の雰囲気に飲み込まれた部分もあったのだろう。ポイントガードとしてボールを預けられるが、無難なパスばかりを選択。シュートも入らずフィールドゴールは6本中1本成功、序盤にもらったフリースロー2投はいずれも外した。周囲が次第にロンゾを経由せずにパスを回すようになってもベバリーは食い付いてくる。

クリッパーズとレイカーズでは力の差もあった。前半こそセンターのブルック・ロペスを中心に抵抗したが、第3クォーターに一気に離され、92-108と大敗。

ロンゾは29分のプレータイムで3得点。良いところはほとんど見せられなかった。「チームが大敗したのだから、自分も良いプレーができなかったということ。デビューはうれしいけど、僕が気に掛けるのはチームの勝利。今日は負けてしまった。ただ、まだ始まったばかりでシーズンは長い。前を向いて歩き続けないといけない」と言葉少なに語った。

対照的に饒舌だったのがベバリーである。「試合のトーンをセットしようと思った」とロンゾ・ボールに対する激しい守備を説明したベバリーはこう続ける。「俺からすれば『NBAへようこそ、お坊ちゃん』という感じだ」

試合後、ベバリーはロンゾに「親父が起こした騒動で、いろんな選手がお前に向かってくるぞ。その心構えをしなきゃいけない」と伝えたそうだ。「彼はレイカーズにとって素晴らしい選手になるだろうけど、その前にはタフな経験を乗り越えないと。後からキャリアを振り返った時、彼は今日の経験に感謝することになるだろうね」

「今シーズンもそう簡単には勝てない」という厳しい現実を突き付けられたレイカーズとは対照的に、クリッパーズはクリス・ポールが退団した後も強豪であり続けることを示す勝利。開幕戦から両チームの明暗が分かれた。