通称『ジェームズ・ハーデン・ルール』
NBAでは、今シーズンから審判がシューティングファウルをコールする際の基準が厳しくなる。その影響を最も受ける可能性があると言われているのが、ロケッツのジェームズ・ハーデンだ。
通称『ジェームズ・ハーデン・ルール』とも言われているのだが、当の本人は全く意に介していない。
ハーデンは昨シーズン、3ポイントシュート試投時における被ファウル数で、NBA記録となる122回という数字を記録した。同2位のルー・ウィリアムズの被ファウル数が49回だったことを考えれば、ハーデンのファウルを誘う技術の高さは一目瞭然だ。
ハーデンは、ファウルの基準厳格化について、『Houston Chronicle』に「自分はバスケットボールという競技を学習している。毎シーズンより良い選手になろうと思って努力しているからね。ファウルはファウル。どのタイミングで笛を吹かれようと、ファウルはファウル。いつファウルが取られるか、取られないかは、こちらで決められないこと」とコメント。
「どういう形であれ、それは審判が判断すること。僕は自分のバスケットをする。今後もチームの勝利に貢献するためアグレッシブにプレーするのが僕の仕事だ。僕は高いレベルでプレーしているから」と続けた。
ハーデンにしても、ラプターズのデマー・デローザンにしても、やはりNBAトップレベルのフットワークの使い手だからこそ、相手を幻惑して上手く接触しているかのように持ち込み、多くのファウルを稼いでいる。一見すると姑息なやり方に思えるかもしれないが、これは立派な技術。競った展開になればなるほど、フリースローでの得点が勝敗に与える影響は大きくなる。
この特徴を理解している審判も、心理的にはハーデンに対する基準が厳しくなるものだが、それでもファウルをコールしてしまうのだから、やはりトップクラスの『曲者』なのだ。基準があらためられようとも、『ハーデン流』が変わることはない。