リチャード・ジェファーソン

ニックスは反論ツィート「契約を持ちかけた事実はない」

2018年に現役を引退したリチャード・ジェファーソンの発言がちょっとした騒動となっている。11月24日のニックスvsネッツで解説を務めたジェファーソンは、放送中に「ニックスからしか契約のオファーが来なかったから、僕は引退を決意した」と語ったのだ。

アナウンサーが本当かどうか問いただすと、彼は「事実だよ」と答えた。「だから引退を決意したのさ。ニックスが僕を欲しがるってことは、僕のNBAキャリアは終わりだという意味だよ。ニックスでプレーするくらいなら引退したほうがマシで、ネッツの試合で解説でもやるほうが良いと思ったんだよ」

この挑発的な発言には、もちろん背景がある。ジェファーソンはかつて同じニューヨークのライバルであるネッツ(当時はニュージャージー・ネッツ)でプレーしており、ネッツのファンへ向けたリップサービスだと考えられる。これに対してニックスも反論。翌日に「ジェファーソンに契約を持ちかけた事実はない」とツイートした。ジェファーソンは発言はジョークだったとほのめかすツイートをしている。

実際にジェファーソンに契約を断られていたにせよ、その場限りのジョークにせよ、ニックスがこの発言に対してイラだつのも分かる。しかし、そのような取るに足らない発言に対し、わざわざ反応するのもどうかと思われる。実際、ニックスのツイートの方が注目を浴びていたし、ジョークのネタにされていた。


バスケットボールのメッカと呼ばれたニューヨークだが、それは過去の話。ライバルのネッツはカイリー・アービングとケビン・デュラントを迎え入れることで、ドアマットチームからの脱却に成功したが、その結果としてニックスが取り残された形となっている。ニックスがプレーオフに進出したのは2012-13シーズンが最後で、そこから勝率5割を超えたシーズンが一度もない。今シーズンも開幕から4勝13敗と低迷している。

ニックスのヘッドコーチ、デイビッド・フィズデイルは、ジェファーソンの発言に「ノーコメント」とだけ答えたが、ニックスが日常的に嘲笑の的となっていることに関してコメントを求められると「チーム内のケミストリーを構築することに集中している」とだけ答えた。フィズデイルには内部からも様々な圧力がかかっているようで、このままチームが上向かないようなら解任される可能性もある。内外の雑音をシャットアウトし、チームをまとめることができるか、フィズデイルの手腕が試されている。