「プレーできることがどれだけ幸運なのか」
12勝4敗と東カンファレンスの上位争いを演じているセルティックス。このチームをリーグトップクラスのディフェンスで支えているのがマーカス・スマートだが、オフェンス能力を備えていないわけではない。キングス戦では大混戦で迎えたラスト1分から、ドライブで切り込んでのフェイダウェイ・ジャンプシュート、そしてスピンムーブでマークを振り切ってのレイアップと連続得点を挙げ、オフェンスでも勝利の立役者となった。
そんなスマートは、NBA選手として忘れられない『若気の至り』を経験している。それはキャリア4年目、ロサンゼルスで行なわれたレイカーズ戦の試合後に起こった。2018年1月23日、敗戦後に宿泊先のホテルに戻ったスマートは、部屋にあった写真立てを殴打し、利き手に深い裂傷を負った。結果、このケガで11試合を欠場している。
スマートは先日、ポッドキャスト番組『The Lowe Post』に出演した際、このケガがかなり深刻なものだったことを明かした。「実はあの時、あと数ミリずれていたら一生バスケットボールをプレーできなくなっていた、と医師から言われた。手から取り除いたガラスは信じられないほど多かったんだ」
幸運にもNBA選手としてのキャリアは続けられたが、スマートは自戒の念を忘れずにこう語る。「手に刺さったガラスの破片の一部を今も持っているんだ。プレーできることがどれだけ幸運なのかを思い出すためにね」
騒動後にTwitterで自らの行為を謝罪したスマートは、それからディフェンスで違いを生み出せる選手として実力を伸ばしし、今年の夏にはアメリカ代表としてワールドカップにも出場した。誰にでも『若気の至り』の一つや二つはあるものだが、運にも恵まれたスマートは、苦い経験を糧に、日々バスケットボールに向き合っている。
Final 5⃣5⃣: Here's how the #Celtics secured the win vs the Kings tonight at home pic.twitter.com/oflIkjQ6Q6
— Celtics on NBC Sports Boston (@NBCSCeltics) November 26, 2019