得点源となる外国籍選手2人を欠きながらA東京に快勝
9月24日、三遠ネオフェニックスは敵地でアルバルク東京とプレシーズンゲームを実施。コンディション不良のためロバート・ドジャー、カルティエ・マーティンの得点源2人を欠きながら、リーグ屈指の強豪であるA東京に84-78で勝利を収めた。
藤田弘輝ヘッドコーチは、「最後のプレシーズンゲームで素晴らしい環境の中、素晴らしいチームと試合することができ、すごく実になる試合でした。来週からレギュラーシーズンが始まるのでチームとしてしっかり準備をし、強いチーム相手にも全員で戦って素晴らしいシーズンにしていきたい」と、試合後の記者会見で語った。
この試合、三遠はスコット・モリソン、川嶋勇人と新加入の2人が躍動した。モリソンが21得点9リバウンド、川嶋は1点リードで迎えた残り約1分に勝利を大きく引き寄せる3ポイントシュートを決めるなど14得点6アシスト4リバウントをマークしている。
「川嶋が入ってくれたのは、ウチのチームにとってすごく大きなことです。彼のようなサイズの大きいガードは去年のチームにはいなかったので、バリエーションがすごく増えます」と、指揮官は川嶋加入の効果を語る。
そして川嶋本人も、新天地でのプレーに手応えを感じている。「チームの約束事がある中でも、自由にやらせてもらっている部分があり、やりやすいです。かなりフィットしている感じはあります」
また、この試合では3ポイントシュート3本中3本成功など外角シュートが目立ったが、自身の役割として特に意識しているのはフィジカルの強さを生かしたゴール下へのドライブだ。「日本人のアタックが足りないところを補うために僕を取ってくれたと思うので、積極的にゴールに行こうかと思います。また、プレシーズンを通してアシストが増えているのは、すごい意識しているところです」
相手守備を崩し、アウトサイドの強みを生かせる存在
三遠の持ち味といえば、大きくボールを動かしノーマークを作ってからの長距離砲である。ただ、この強みを生かすためには、ゴール下に切れ込む縦の動きで守備の隊形を崩し、パスをさばく存在が重要だ。そして川嶋は、このチームが求める特徴を備えた『適材適所の補強』と言えるだろう。
「仕上がりはまだ5割くらい。去年のバスケから上積みしていきたい部分はまだまだあります」と語る藤田ヘッドコーチだが、同時に「今はすごく良い状態でバスケをしています」と続ける。
あとは今回欠場していたドジャー、マーティンの2名を、良い流れで来ているチームにうまく組み込むことができるか。そこは「能力ある2人の外国籍選手が入るからと、そこにだけボールを集めるのではなく、日本人のアタックを増やしていかないと。彼らに頼りすぎては良い流れにはならない」と川嶋が語るように、日本人選手の積極性が大事になってくるだろう。
振り返れば昨シーズンの開幕シリーズ、三遠は優勝候補の川崎ブレイブサンダースに2連勝してスタートダッシュに成功したことが、チャンピオンシップ出場につながった。昨年に続いてスタートダッシュを決めても驚かない、そんな印象を強く抱かせてくれる最後のプレシーズンゲームだった。
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