ブレイク・グリフィン

第1クォーターに20-0のラン、長距離砲連発で圧倒

ブレイク・グリフィンが復帰しても勝ち星に恵まれずに5連敗と波に乗れなかったピストンズだが、転機となりそうな勝利をホークス戦で挙げた。

出だしではホークスの軽快なバスケットについて行けず、2-11と出遅れるも、立て直すのは早かった。グリフィンがボールを落ち着かせたところから、流れがピストンズにやって来る。グリフィンはペイント内でもアウトサイドでも確実にボールをキープし、ハーフコートオフェンスでチャンスを作り出す。

グリフィンのところでボールが収められるようになった安心感から、他の選手は思い切りの良いオフェンスができるように。グリフィン自身は速い展開を作れないものの、そちらはルーク・ケナードとブルース・ブラウンの担当。ブラウンのスティールからルーク・ケナードのトランジションスリーに繋ぎ、ケナードがリバウンドからそのままプッシュしてレイアップに持ち込む。

アンドレ・ドラモンドのインサイド、グリフィンのポストプレーに頼るのではなく、多彩な攻めでホークスを圧倒したピストンズは20-0のランを含む猛攻で第1クォーターを10点リードで終えると、第2クォーターでさらに勢いを上げる。前半だけで3ポイントシュートは20本中12本成功。ピストンズとしては1983年の記録を塗り替える新記録、76得点を奪ってホークスを圧倒した。

後半も後半もピストンズの優位は動かない。グリフィンが圧倒的なボールキープ力を発揮することで試合のテンポをコントロールし、ホークスに反撃のきっかけを与えることなく、終始20点から25点のリードを保って128-103と快勝している。

グリフィンが力強く、そしてインテリジェンスの高いプレーを取り戻したことはピストンズにとって非常に大きい。この快勝のもう一つの要因は、ブルース・ブラウンのパフォーマンスにあった。1試合平均約30得点を記録するトレイ・ヤングをマークしたブラウンは、注意深い対応でヤングをスピードに乗らせない。またオフェンスが決して得意ではないヤングに対してブラウンが仕掛けるシーンが再三見られ、ブラウンはヤングを9得点に抑えただけでなく自らが14得点を挙げて、見事に役割を果たした。

「僕がフルコートで追いかけまわしたから、彼は疲れ果てていたね。終盤にはもうボールをもらいに行こうとしなかった」とブラウンは言う。開幕戦も同じカードで、この時はヤングに38得点9アシストを許してチームは敗れていた。「あの時は何もさせてもらえなかった。好き放題にやられたし、僕はオフェンスでも何もできなかった(2得点)から、今日は絶対に借りを返すつもりだったんだ」

グリフィン、ドラモンド、ローズが3枚看板だが、2年目のブラウンや3年目のケナードがチームに勢いをもたらせるかどうかがピストンズの命運を握っている。グリフィンとブラウンが揃って活躍したこのパフォーマンスを安定して発揮できるようになれば、ピストンズは浮上してくるに違いない。