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18歳の新鋭、優勝に貢献し大会ベスト5にも選出される

今夏開催されたユーロバスケットはスロベニアの初優勝で幕を閉じた。大会MVPに輝いたのはNBAヒート所属のゴラン・ドラギッチ。その彼が認める『新星』が、来年アメリカにやって来るかもしれない。ドラギッチが「生まれながらの勝者」と絶賛するルーカ・ドンチッチだ。

13歳の時にスペインリーグの名門レアル・マドリーとプロ契約を結んだドンチッチは、今大会で最も注目を集めた若手であり、大会ベスト5にも選出された。

セルビアを下して優勝を飾った直後のインタビューで、ドラギッチは18歳の『新星』について「すでにいくつものトロフィーとメダルを獲得している。間違いなく世界のベストプレーヤーの一人になると保証するよ」

ドラギッチがわざわざ名前を挙げて褒めるのは、次代を担うエースであるドンチッチの名を広めるためだろう。ヨーロッパレベルからワールドレベルへと成長しつつある18歳を、さらに広い世界へと押し出してあげようという『親心』が感じられる。ドラギッチは現在31歳、いずれ自分の後継者になる存在であるドンチッチへのサポートは惜しまない。

ドンチッチは、スペイン時代のリッキー・ルビオと比較されることもあるが、当時のルビオより優れている点は、すでにアウトサイドシュートを得意にしているところ。昨シーズンはリーグ戦、ユーロリーグを合わせて67試合に出場し、3ポイントシュート成功率34.7%を記録。ユーロバスケットでは3ポイントラインの手前からのクイックリリースでロングシュートを決めた場面も見られた。

ガードながら身長も198cmと高く、当然プレーメーク力、パスセンスも優れている。ユーロバスケットで平均14.3得点、8.1リバウンド、3.6アシストを記録した。

ヨーロッパ王者となった次のステップとして期待されるのがNBA参戦だ。2018年のドラフトにエントリーすれば、全体1位指名の有力候補なるだろう。NBAレベルで圧倒できるほどの身体能力はないため、ここで活躍するにはシュート力を始めとしたスキルをさらに磨く必要がある。それでも勝負度胸を備えた『チームを勝たせる才能』は特筆すべきものだ。

まだ気は早いかもしれない。それでもドンチッチがNBA挑戦を決断すれば、大いに注目されるのは間違いない。