簡潔ながらも力強い言葉で説得
まだ正式発表はされていないが、カーメロ・アンソニーはトレイルブレイザーズでNBA復帰を果たす。
昨年11月から実戦を離れているカーメロは、これまで優勝が可能なチームと契約するのではないかと噂されていた。しかし、彼が選択したチームは、開幕から負傷者が続出しているブレイザーズだった。
カーメロが先発で起用されるのか、それともベンチからの出場になるかは未定だが、ブレイザーズは先発のザック・コリンズの長期離脱により、フォワードが足りない状況に追い込まれている。昨シーズンのプレーオフで西カンファレンス・ファイナルに進出したチームとはいえ、毎シーズン競争力が上がり続けている西で、序盤のつまずきはプレーオフ争いに大きな影響を及ぼしてしまう。それでもあえて、ブレイザーズへの加入を決断し、そのカーメロを口説いた人物こそ、GMのニール・オルシェイだった。
『ESPN』によれば、オルシェイはカーメロの心をつかむため、「君には我々が必要だ。そして、ウチには君が必要なんだ」と、簡潔ながらも力強い口説き文句を伝えたという。
昨シーズン開幕後にロケッツから戦力外通告を受けてプライドを傷つけられ、プレーしたくても、『衰えた』、『ディフェンスしない』、『ベンチ起用を受け入れない』という数々のレッテルを貼られたカーメロは、精神的なダメージも負った。復帰を目指して練習を続けてもオファーが届かない時期が続いた中で、「君が必要」と言われて心が動かない選手などいない。
この一言で、カーメロは無保証の契約を受け入れた。そして、ポートランドでキャリア最終章を迎えようとしている。