指揮官の喝に発奮、勝利の立役者に
アルバルク東京は三遠ネオフェニックスとの初戦に快勝し、10勝目を挙げた。
前半を終えた時点では同点だったが、第3クォーターに2桁のリードを奪って突き放した。その後半に輝いたのが須田侑太郎だ。6本中4本の3ポイントシュート成功させ、チームハイの16得点。そのすべてを後半に集中させ、チームに勝利をもたらした。
だが、裏を返せば前半に存在感を示せなかったことにも繋がり、「個人的に前半はふわっと入ってしまって、ターンオーバーから相手に流れを持っていかれてしまったところもあった」と、前半の出来を反省点に挙げた。
指揮官のルカ・パヴィチェヴィッチはソフトだった選手とチーム全体に「簡単にプレーさせるな」と、ディフェンスのインテンシティレベルを上げるよう求めたという。須田は直接喝を入れられた選手のうちの一人だった。
「自分でもやられたと分かってますし、反骨心じゃないですけど、それも含めて言ってくれてると思うので。気持ちを出すことができた」と、指揮官の檄を好意的に受け止めている。
その結果、後半は強度マックスのディフェンスに加え、キャッチ&シュートを高確率で沈めて勝利の立役者となった。
チームへの貢献度「正直、手応えはありません」
チームハイ、そしてシーズンハイ(タイ)の16得点を挙げた須田だが、「(安藤)誓哉とかにクリエイトしてもらったところで駆け引きするのが主になっています。今日は結果に繋がりましたけど、こうすれば良かったと思うことは尽きないです。満足もしないし、完璧もないので、そこを突き詰めながらやっていかないといけない」と、自己評価のハードルは高い。
また、昨日の勝利で10勝目を挙げたが、チームに対する貢献度についても「もっとできると思うし、やらないといけないとも思っているので、正直手応えはありません」と、自己評価は辛口だ。
フィジカルなディフェンスはA東京の軸になっており、須田の守備力は十分にチームの力になっている。昨日の試合もディフェンスが悪いようには決して映らなかったが、本人からすれば課題はあった。「ディティールのところです。もうちょっとタイトにしなきゃいけないとか、そういう小さい積み重ねが相手のシュートに結びついてしまうので。パッと見たら分からないですけど、少しだけ足りなかったです」
「ディフェンスで貢献していきたい」
須田は今シーズンからA東京に加入したため、チームルールの理解にまだ時間がかかっている。頭では分かっていても、それが身体に染みついていないため、コンマ何秒かのズレが生まれてしまうという。
「まだディフェンスで考えてしまっている。身体が追いついていないというか。落とし込み切れていないというか。それが落とし込めた時にもっとアグレッシブにいけるという感覚ですね」
「ディフェンスでの信頼をまだ得れていないと感じますし、自分の良さもまだ全面的に出せてないです。オフェンスは本当に良いパスをくれますし、ディフェンスが僕の良さでもあるので、ディフェンスでチームの勝利に貢献していきたいです」
須田の強みとチームの強みは一致している。須田がかのブルース・リーの名言のように、頭で考えずに身体が自然と反応する状態までディフェンス力を昇華させることができれば、A東京の強さはもう一段階上がるはずだ。
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