八村塁

課題だった最終クォーターに存在感を発揮

NBAウィザーズがアウェーのセルティックス戦に臨んだ。

先発出場した八村塁は開始1分、トーマス・ブライアントのシュートミスこぼれ球を拾うと、そのまま左手のダンクを決めて初得点を記録。その後もケンバ・ウォーカーとのミスマッチを突き、ステップバックのミドルシュートを沈めた。

2本連続のフィールドゴール成功と好スタートを切ったが、リバウンド争いでのポジション取りとシュートファウルにより、開始3分で2つ目のファウルを犯してベンチへと下がった。

試合は両チームのオフェンスがディフェンスを凌駕する打ち合いとなり、フィールドゴール成功率が50%を超えるハイスコアリングゲームとなった。

第2クォーター残り8分、八村は1点ビハインドの場面でブラッドリー・ビールとともに再びコートに。八村はファウルに気を遣いながらのプレーとなったがシュートタッチは引き続き良く、プルアップに味方との合わせでゴール下で加点し、さらにはパスカットからワンマン速攻を決めるなど、6本中5本のフィールドゴールを成功させ前半だけで10得点を挙げる。チームも絶好調のビールを中心としたオフェンスが機能し、66-68と互角で終えた。

だが後半に入ると、ウィザーズの課題であるディフェンスが崩壊してしまう。前半からゾーンとのチェンジングディフェンスを使っていたが機能せず。また前半は3ターンオーバーとミスを最少限に抑えていたが、ターンオーバーからの失点がかさむ。八村がタイムアウト明けにミドルシュートを沈めたが、直後にコミュニケーションミスからノーマークで3ポイントシュートを許すなど、悪い流れを止められない。

第3クォーター残り6分には、八村がケンバ・ウォーカーとのマッチアップで4つ目のファウルを犯し、ベンチに下がらざるを得なくなった。

その後、セカンドユニットが奮起して再び接戦に持ち込むも、最終クォーターに再びターンオーバーから速攻を許すなど、手痛いミスが出て0-10と走られた。この試合ゲームハイの44得点を挙げたビールの得点で繋いでいたが、頼みのビールもマーカス・スマートのスティールに遭うなど失速していった。

残り7分半、14点ビハインドの場面で八村が登場。ボールプッシュからフィニッシュまで持ち込み、得意のポストプレーから連続でシュートファウルを獲得するなど、失速したチームに追い上げのエナジーを注入する。アイザイア・トーマスのバスケット・カウントなどで追い上げたウィザーズは、残り1分17秒にトーマス・ブライアントのフリースローで4点差まで迫った。

だが直後、ウォーカーに3ポイントシュートを射抜かれてしまう。八村がフリーで放った3ポイントシュートが外れてしまい万事休す。その後、3ポイントシュートを狙い続けるも決まらず、133-140で敗れた。

八村はファウルトラブルに苦しみ、プレータイムは24分に留まった。それでも12本中9本と高確率でシュートを決め続け、ビールに次ぐ21得点を記録している。また、これまでは最終クォーターの勝負どころで本来の力を発揮できない試合が多かったが、積極性を失うことなくポストでボールを受ける場面が見られるなど、チームの信頼を得ている様子がうかがえた。

八村自身のパフォーマンスは高値安定しているが、東カンファレンスワースト2位のディフェンス面を改善しなくては、勝ち星は伸びていかない。