ライアン・ロシター

レバンガ北海道のビッグラインナップが機能

宇都宮ブレックスがホームにレバンガ北海道を迎えた第2戦。立ち上がりから北海道の勢いに飲まれてビハインドを背負ったが、第3クォーターに本来のバスケットを取り戻すと一気に逆転。そのまま押し切って連勝した。

北海道でキーマンとなったのは市岡ショーンだった。第1戦ではベンチスタートだったがスタメンに据えられ、ケネディ・ミークスとマーキース・カミングスとともにビッグマンを並べてインサイドの主導権を取りに行く。リバウンドを強みとする宇都宮を相手に引かず、取れないと判断すれば指先で弾いて他の選手が出足で上回ってボールを拾っていった。

外でのパスは回るがペイントエリアに良い形でボールを入れられず、ライアン・ロシターにポストアップのパスが入る良い形ができても、数が少ないため北海道にファウルで潰された。インサイドの主導権は与えられないと宇都宮は竹内公輔、橋本晃佑を送り出すが、流れは変えられない。第2クォーター、北海道のファウルがかさんだところでインサイドへの強引なアタックを増やし、フリースローで得点を繋いだものの、3ポイントシュートも当たり始めた北海道のペースが上回る。32-45と大きなビハインドを背負って前半を終えた。

立ち上がりの勢いに問題があったのは間違いないが、渡邉裕規は「相手も絶対に連敗したくなくて勢いを持ってくるので、簡単ではない」と語る。「でも大事なのは自分たちのやるべきことに立ち返ることで、それができれば勝てるし、できなければ勝てません」

ジェフ・ギブスも同じことを言う。「ハーフタイムに選手同士で良いディフェンスから自分たちの流れを持ってこようと話した。一気に逆転はできないので少しずつ差を詰める、自分たちのスタイルであるディフェンスから得点する部分で貢献できるよう、精一杯やった」

比江島慎

ファウルトラブルを機に宇都宮が攻勢に転じる

そして後半、渡邉とギブスが言う自分たちのバスケットを展開した宇都宮が圧倒する。きっかけとなったのは、後半開始1分半で市岡が個人4つ目のファウルでベンチに下がったことだ。

内海ヘッドコーチは「ディフェンスとリバウンド、チームにとって一番大事な部分を頑張ってもらっている。ビッグマンでキーになる彼が早めにファウル4つになったのは我々にとって痛かった」としながらも、「ファウルが多いのは身体を張っているので仕方ない部分もある」と彼を責めず、「選手は一生懸命にやったが、リーグの中でアジャストしながらいろんな戦術が必要だと私なりに反省している」と、あくまで勝ち負けの責任は自分にあるとした。

この時点で点差は11あったが、試合巧者の宇都宮は一気にギアを上げる。北海道もここが勝負どころと奮起し、リバウンドから素早く展開して松島良豪のトランジションスリーなど好プレーも見せたが、宇都宮の勢いはそれ以上だった。

その勢いのトリガーを引いたのは比江島慎だ。遠藤祐亮がケガで不在とあっていつも以上に気合いが入っていたという比江島は、2本の3ポイントシュートを立て続けに決めるとともにピック&ロールからのチャンスメーク、またゴール下まで切り込むドライブと、そのオフェンス能力を存分に発揮。流れを一気に引き寄せた。

渡邉裕規

勢いを加速させた渡邉、終盤は完全に宇都宮ペースに

この勢いを加速させたのは渡邉の連続3ポイントシュートで、これに山崎稜が続いて61-58と逆転して第3クォーターを締める。最終クォーターに北海道は市岡をコートに戻すも、ファウルトラブルであることは変わらないし、少ない人数でローテーションを回す疲労もあって、前半のような勢いはもうなかった。

宇都宮のプレッシャーは前半とはレベルが違い、ボールホルダーに激しいプレッシャーを掛け、ポストに預けるパスをカットしてインサイドで優位を作らせず、ターンオーバーからの速攻を連発してオフィシャルタイムアウトまでに14-4のランで試合を決めた。最終スコア84-70で宇都宮が勝利を収めている。

終わってみればリバウンドで31-29と宇都宮が巻き返した。ペイント内での得点は38-38と同じだったが、フリースロー試投数は22-7と大差に。前半の苦しい時間帯にも攻める姿勢を保ち続けたことが、後半の勝機を生み出したと言える。

北海道は連敗で通算成績を7勝7敗としたが、宇都宮を相手にディフェンスとリバウンドで渡り合い、良い勝負を演じたことは収穫でもある。その手応えを松島良豪はこう語る。「東地区のチームを相手にオフェンスで上回って勝つの簡単ではないので、自分たちはヘッドコーチが目指し、チームが準備してくれたディフェンスを頑張って、チーム力で相手の良い部分を抑え、良いオフェンスに展開して、そこで勝利という結果を手にしていける。今チームが目指しているバスケットは間違っていないと思っています」

11月10日のB1 8試合の結果
島根81-76三河
SR渋谷92-97新潟
京都58-98秋田
宇都宮84-70北海道
A東京83-71琉球
名古屋D74-83千葉
大阪88-78横浜
川崎81-79三遠

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