三好南穂

「選手である以上はみんなが目指すところ」

3人制バスケ『3×3』の女子日本代表は来年3月に行われるオリンピック予選(OQT)に参加し、自力での東京オリンピック出場を目指している。

「来年27歳なので、4年後だと31歳。下の子もいるし、オリンピックに関しては最後の覚悟はあります」。そんな覚悟を決めて強化合宿に臨んでいるのが三好南穂だ。

「4年に一回ですし、選手である以上はみんなが目指すところ」と言うように、三好にとってオリンピックの舞台は特別なものだ。2016年、当時22歳の三好はリオ五輪に5人制の代表選手として参加している。この時は吉田亜沙美と町田瑠唯に次ぐ3番手のガードとして出番は限られていたが、ステップバック3ポイントシュートを決めて足跡を残し、チームはベスト8と結果を残した。

リオ五輪で少なからず結果を出したことで、代表での目標は選出されるだけではなく活躍することになった。「あまり試合に出ていない自分にも大きな経験になりました。実際、リオに選ばれる前は『オリンピックに出れたらいいな』くらいで、夢に近かった部分があったんです。でも、そこでシュートも決めたりして、そこから自分がオリンピックで活躍したいという気持ちに変わりました」

三好南穂

「あと何回チャンスがあるかも分からない」

今回招集された内野智香英のように、5人制と3人制の両方の代表候補に挙がることは少なくない。三好ももともと5人制と3人制の両方の代表合宿に招集されてきた。

「今回もそうですが5人制の合宿と日程が被る場合があります。どっちかに決めていかないと迷惑もかかってくるし、違う人のチャンスも増えるので、それで決めました」と、今の三好は3×3に専念している。

もちろん、3×3に専念している理由はそれだけではない。「5人制で選ばれたとしても、私は多分ガードの3番手」というのが三好の自己評価で、それではリオの時と変わらない。主力として活躍したい思いが三好に3人制を選ばせた。

「あと何回チャンスがあるかも分からないですし、最後かもしれないです。3人制の場合、選ばれたら主力なので(笑)。最後にチャレンジしたいという思いはあります」

アスリートである以上、自分が主役となって活躍することを望むのは当然だ。むしろ、控えを受け入れる甘さこそ淘汰されるべきだろう。こうした強い思いで合宿に参加した三好だが、競争への手応えに関して尋ねると「ガードは多いですし、みんなうまいから。本当に難しいとは思います」と、正直に明かした。

それでも「自分の2ポイントシュートをアピールしていけばチャンスはある。最後まで自分の2ポイントのスタイルを変えずに戦っていきたいです」と、代表生き残りへの強い決意を語った。

三好の武器は正確無比なアウトサイドシュートだ。Wリーグでは4シーズン連続で3ポイントシュートの成功率は40%を超えている。3×3の2ポイントシュートは5人制の3ポイントシュートよりも価値が高い。三好が代表の座を勝ち取り、今度は3人制の選手として再びオリンピックの舞台に立てるかどうかは、自慢のシュート力をいかに発揮できるかに懸かっている。