デビン・ブッカー

「今のチームはファンのみんなが求めていたチーム」

昨シーズンわずか19勝に終わったサンズが、開幕から早くも5勝目を挙げた。しかも、現地4日にその5勝目を記録した相手は、開幕から無敗をキープしていたセブンティシクサーズだ。

終盤までほとんど点差が離れない大混戦、102-102の残り3分から抜け出したのはサンズだった。絶好調のデビン・ブッカーがマークするベン・シモンズをヘジテーションでかわしてジャンプシュートを沈める。ジョシュ・リチャードソンの演技が審判を欺いてブッカーに個人5つ目のファウルが宣告されるも動じず、アル・フォーホードをブチ抜いてのバスケット・カウントでお返し。残り1分にはシモンズとアル・フォーホードの2人がかりのマークをかわしてパス、これがケリー・ウーブレイJr.へのアシストとなり、109-103とシクサーズを突き放した。これが決定打となり、114-109でサンズが勝利している。

残り6秒、110-106とリードした場面でブッカーがファウルゲームのフリースローを得る。もっと盛り上げてくれ、とブッカーに煽られたスタンドからは『MVPコール』が沸き起こった。ブッカーはこの後押しを受けてフリースローを2本決め、得点を40へと伸ばしている。

ブッカーにとっては現在がプロ5シーズン目。1年目から勝てず、「相手から踏み付けられる」という意味の『ドアマット』と化したチームで奮闘を続けてきた彼にとって、キャリア10度目の1試合40得点はこれまでとは全く異なる味わいだったに違いない。フィールドゴール19本中15本成功、フリースローは7本すべて成功と、見事なまでのシュート精度を披露した上での40得点だった。

「この会場でエネルギーが感じられるのが好きだ。今のチームはファンのみんなが求めていた、ハードワークをこなして毎試合で自分たちの課題に取り組むチームだ」とブッカーは語る。

先発センターのジョエル・エンビードが出場停止により不在だったとはいえ、サンズにとっては大きな自信となる1勝だ。これで5勝2敗、サンズにとって貯金3は実に4年ぶりの出来事となる。ブッカーは充実した表情で、「ファンのため、自分たちのため、そしてこの街のためにプレーしているんだ」と声を弾ませた。