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個性派集団は『勝利のマインド』を持って東をかき回せるか

今夏レイカーズからネッツにトレードされたディアンジェロ・ラッセルは、NBAキャリア3年目で迎える新天地ネッツを根本から変えようとしている。

44勝38敗を記録した2013-14シーズンを最後に3シーズン連続して負け越しているネッツだが、昨シーズンまでレイカーズを引っ張ってきたラッセルを始め、ニックス時代に社会現象となった『Linsanity』を起こしたジェレミー・リン、トップクラスの守備力を誇るデマーレイ・キャロル、昨シーズンNBA2位の3ポイントシュート成功率(44.4%)をマークしたアレン・クラブという曲者が集い、NBAきっての『個性派集団』に生まれ変わった。

ラッセルは、ネッツが年に一度開催しているバスケットボールキャンプに参加した際、『NetsDaily』に対し「相手がウチとの対戦を嫌がるようなチームになりたい」と語った。

「ここ数年は苦戦続きだし、対戦するチームの中にはネッツ戦になると主力を休ませるチームもある。俺はその傾向を改善させたい。これからはブルックリンにやって来るチームが『そうか、ここはニューヨークか。ファンの敵対心がすごかったんだ』と言わせたい」

それにはファンの力も必要だが、まずはチームが勝てるようにならなければならない。ラッセルは、現在のチーム力に自信があると言う。「チーム全員が自信を持っているよ。個人的な意見だけど、俺は自分を危険な選手だと思うし、デマーレイ・キャロルもエッジが立っている。アレン・クラブだってそうだ。自分たちにできるベストを尽くしたい」

プレーオフ進出という目標には踏み込まなかったものの、当然ラッセルの視野に入っているはず。だがまずは、対戦相手に嫌がられるチームになるべく、精神的なタフさをチームに浸透させることが重要だ。

個性派集団というのはスター軍団ではない。一芸に秀でていたり、ポテンシャルを備えてはいても、安定して実力を発揮できなかったり、問題児だったり、何らかの理由を抱えて過小評価された選手が集まっている。ラッセルもその一人で、注目すべきタレントではあるがNBAを代表するスター選手というわけではない。

ネッツが成功を収めるには、まずは彼ら一人ひとり勝利に貪欲になって弱小チームの意識を変え、その上でそれぞれの個性が噛み合う必要がある。決して簡単ではないし、この数年の出来を見る限り過度な期待はできないが、ネッツは東カンファレンスでも特異な存在だ。その変化と成長の過程を追いかける価値はあるのかもしれない。