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メディカルチェックでキャブズが「NO」と言えば破談に

8月22日にキャバリアーズとセルティックスの間で成立したカイリー・アービングとアイザイア・トーマスを含む大型トレードが、ここにきて不成立になる可能性が出てきた。

『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者によれば、問題はアイザイア・トーマスが昨シーズンから抱える股関節痛。トーマスは25日にクリーブランドでメディカルチェックを受けたものの、股関節の状態をキャブズは不安視しているという。トレードは成立したが、対象選手の誰かがメディカルチェックをパスできないとなれば不成立となる。キャブズは『交換要員』のトーマスの状態が悪いと判断すれば、今回のトレードを取り消すことが可能だ。

ウォジナロウスキー記者によれば、キャブズは現状を『極めてセンシティブな状態』と考えているとのこと。

衝撃のトレード成立からわずか5日しか経っていない中で飛び込んできた仰天ニュースだが、過去にも選手の負傷により後日トレードが取り消しになった例はある。

2009年、タイソン・チャンドラー(現サンズ)がホーネッツ(現ペリカンズ)からサンダーにトレードされた際、つま先の負傷が再発する可能性が高いと判断したサンダーはトレードを取り消した。また昨年には、ロケッツがドナタス・モティユナスを3チーム間トレードでピストンズに放出しようとした際、ピストンズの指揮官とGMを兼任するスタン・バン・ガンディが同選手のコンディションに納得せず、トレードが撤回された。

破談となれば関係者の多くにとってマイナス

もしキャブズが今回のトレードを無効と判断した場合、事態は相当に複雑なものとなる。

今回のトレード自体、カイリー・アービングがキャブズに要求したことが発端となっている。これが破談となればキャブズに出戻ることになる。トレーニングキャンプ開始までは約1カ月の猶予があるものの、再び受け入れ先を探すのは簡単ではない。また、一度はキャブズにトレードされたトーマス、ジェイ・クロウダー、アンテ・ジジッチも、セルティックスのために再びプレーするべく気持ちを切り替えるのは簡単ではない。

もし破談が確定となれば、以前からアービングに関心があると噂されたスパーズやクリッパーズがあらためて獲得に乗り出す可能性はある。しかし、交渉の常として相手は足元を見てくるだろう。十分な見返りを得たいというキャブズの希望にマッチする条件が出てくる可能性は、1週間前よりもさらに低くなった。一度はウォリアーズに断られたというクレイ・トンプソンとのトレードも、もはや実現の望みは薄い。

とにかく今は、キャブズの判断を待つしかない。関係者は誰しも、気が気ではないだろう。カイリーやトーマスは今、何を思うのだろうか?