富樫勇樹

「負けが続いているのが、自分たちの今の本当の力」

千葉ジェッツはホームに川崎ブレイブサンダースを迎えた一戦で73-83と黒星を喫した。川崎のプレッシャーディフェンスに耐えられず後半に突き放された展開について、富樫勇樹は「水曜日の宇都宮(ブレックス)戦と全く同じ展開だった」と振り返る。

「今日の試合でも第3クォーターで相手のディフェンスのプレッシャーになかなか自分たちのリズムがつかめず、ターンオーバーをしてしまいました」と言うように、千葉は第3クォーターだけで5本のターンオーバーを犯した。

また「オフェンスがちょっとダメになった時に、ディフェンスの強度も落ちてしまっている」と富樫は指摘する。悪い流れになった時こそディフェンスで我慢することが必要だが、そこで踏ん張れないことで相手に突き放されてしまう。

「オフェンスではターンオーバーも起きるし、シュートは入る日も入らない日もあります。そういうところをディフェンスでカバーしていかないと、高い勝率は上げられない。昨シーズンはロースコアゲームでもなんだかんだ勝っていて、もちろんハイスコアでも勝つチームでした。ディフェンスは毎試合同じレベルでプレーができるチームになっていきたいと思います」

富樫勇樹

「チームとしてそこで切れてしまったらおしまい」

開幕から2勝4敗と黒星が先行する状況を富樫はこう見ている。「負けが続いているので、チームとしての勢いが取れていないですけど、我慢するしかない。一人ひとりのやりたいことは分かるんですけど、チームとしてもう一段階まとまっていかないと、なかなか勝ちには繋がらない」

それでも「本当に焦らずというか。チームとしてそこで切れてしまったらおしまいだと思うので。どういう状況であれ、みんなでまとまっていくしかないです」と、チーム一丸の必要性を強調した。

昨シーズンの千葉は52勝8敗で東地区1位に輝いた。今シーズンはまだ6試合とはいえ、「勝つことがベストだけど、昨シーズンのように上手くいかない感覚は、みんなプレシーズンの時からあったと思う」と明かす。

富樫自身は、この試合でも19得点2アシストと結果を残しているが、それも「出場時間が増えているだけの分だと思っていて、それがチームとしてプラスではない」と評価はしていない。

「昨シーズンは全員でタイムシェアして、出ている時間をハードにプレーすることができていまいた。今年もそういうローテーションができるように、誰がいても同じ質、同じスタイルでプレーできるチームを目指してやっていきたい。もちろん自分が出ている時は、与えられた時間で全力を尽くすだけです。だけど、チームのことを考えると昨シーズンみたいに全員でタイムシェアをしながらやる方が、プレーの質もチームとしての力も上がっていくような気がします」

それなりの苦戦は予想されていたとしても、Bリーグ屈指の安定感を持つ千葉が結果でも内容でもここまで苦しむとは予想できなかったはず。それでも富樫は「負けが続いているのが、自分たちの今の本当の力だと思うので、それは全員が受け止めて1試合ずつ成長するしかない」と現状を受け止める。