トリプル・ダブル級の藤岡麻菜美を筆頭にチーム一丸の日本代表、中国を逆転で下しアジアカップ3大会連続の決勝進出

2017/07/29
日本代表
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文=丸山素行 写真=FIBA.com

互角の戦い、1点ビハインドで最終クォーターへ

女子アジアカップ準決勝、日本は『3強』の一角であり、平均身長が10cmも高い中国と対戦した。日本は膝を痛めていた吉田亜沙美が先発を外れ、結果的に出場しなかった。大黒柱の不在という緊急事態に先発を任されたのは、オーストラリア戦で覚醒した藤岡麻菜美だった。

序盤は吉田不在を感じさず落ち着いた展開となり、8本すべてのフリースローを沈めた日本が18-15と先行する。しかし第2クォーターに入ると、インサイドのマークが甘くなったところを狙われて3連続で失点、開始2分で逆転を許した。藤岡のコースト・トゥ・コーストで反撃するも、相手のタフショットが決まり、オフェンスリバウンドを何本も奪われ我慢の時間帯が続いた。それでも残り1分15秒に藤岡のプッシュからアウトナンバーを作り、ノーマークの河村美幸がミドルシュートを決めて追い付く。

32-32でスタートした第3クォーター、日本は前半と同様に中国の高さに苦戦する。ただインサイドにボールを入れるだけでなく、パス回しからのハイ&ローなど、連動した動きの中でインサイドを攻められ失点を重ねた。ここは中国が底力を発揮した場面だったが、それでも藤岡のキレ味鋭いドライブが中国ディフェンスを切り裂き、得点とアシストを量産する。準々決勝で28得点を挙げた長岡萌映子の速攻や、安定した得点力を見せる宮澤夕貴が勝負強さを発揮し、日本も一歩も引かない。

チーム一丸の底力を発揮、9点差を跳ね返した終盤

日本1点ビハインドで迎えた勝負の最終クォーター、最大のピンチが訪れる。外のシュートが外れ無得点が続く間に、インサイドで連続失点しじわじわと点差が離れる。残り6分58秒、相手の速攻から3点プレーとなるバスケット・カウントを決められ58-67。この日最大点差となった上に、大﨑佑圭とともに自分よりも大きな相手を身体を張って守り続けてきた髙田真希が4ファウルとなった。

この絶体絶命のピンチを救ったのは覚醒した藤岡だった。長岡の速攻をアシストして中国の流れを断ち切ると、自らもショットクロックわずかな時間から3ポイントシュートをねじ込んだ。残り3分3秒の場面ではクロスオーバードリブルで相手を抜き去り、高田のバスケット・カウントをアシストし71-69と逆転。その後一度は追い付かれるも、もはや流れは日本。残り2分2秒に宮澤が値千金の3ポイントシュートを沈め74-71と勝ち越した。

オフェンスが活性化したことで日本の堅守が終盤に復活。ダブルチームからの素早いローテーションでノーマークを作らせない。苦労したインサイドのディフェンスもヘルプディフェンスに行くと見せかけたり、前後で守り方を変えるなど駆け引きで高さの不利を埋めた。

『3強』の一角である中国をねじ伏せ、3連覇へあと1つ!

最後まで集中したディフェンスを披露し、約7分間をわずか5点に封じた日本。同点を狙った中国の3ポイントシュートが外れ、結果的に宮澤のシュートが決勝点となり、74-71の逆転勝利を収めた。

藤岡がゲームハイの19得点8アシスト14アシストとトリプル・ダブル級の大活躍。試合を決めた宮澤が16得点、劣勢を覆す速攻を沈めた長岡が14得点と続いた。吉田に代わりゲームキャプテンを務めて13得点を挙げた髙田は「まず勝てて良かったことと、次につなげられたことが良かったです」と語る。最終クォーターに一度は9点差までビハインドを背負ったが「まだ時間もあったので、そんなに点差は気にしていなかったですし、自分たちの方が足が動いていたので、いつか中国はバテるだろうと思っていました」と振り返る。

ヘッドコーチのトム・ホーバスは「我慢して、しつこいバスケットをしました」と試合を振り返り、「セットプレイやディフェンスとかではなく、気持ちです」と勝因を挙げた。中国はアジア『3強』の実力を十分に発揮したが、それをねじ伏せての勝利。しかも、リオ五輪ではエースだった渡嘉敷来夢を、そしてこの試合はキャプテンの吉田を欠いての勝利。

3連覇をかけた決勝は本日23時30分から。相手のオーストラリアにはグループリーグでは敗れており、選手たちはその後「決勝でリベンジ」を誓い戦ってきた。3連覇まであと1勝、トム・ホーバスをヘッドコーチに迎えた新生日本代表にとっては『最初の総決算』の試合となる。