竹内譲次

大敗したニュージーランド戦「個になりすぎた」

バスケワールドカップ、日本代表にとって本日のモンテネグロ戦が最後の試合となる。ここまでは予選グループも含めて4戦全敗。特に過去2試合のアメリカ戦、ニュージーランド戦は連続で30点差以上の完敗と厳しい現実に直面している。

王者アメリカ相手の大敗はまだしも、大会前の親善試合とはいえ、2試合やって1勝1敗と戦うことができていたニュージーランドに81対111で敗れたことは悪い意味での大きなサプライズとなってしまった。

このニュージーランド戦、日本はエースの八村塁がアメリカ戦を終えてコンディション不良からチームを離脱した。その影響をベテランの竹内譲次は、こう振り返る。「(八村)塁がいないことで、(馬場)雄大、(渡邊)雄太など得点で意識するところがあったと思いますが、そこに対して個になりすぎた部分がありました。チームとしてもっとボールムーブして、相手の隙をつくようなことができたかといえば、やりたい事とはちょっと違いました」

また、守備面でいえば、警戒していたにも関わらず相手の得意とする3ポイントシュートをノーマークの状態で何本も打たれてしまった。その要因を「代表チームはまず中を固める形でやってきました。そこで一発目の3ポイントシュートを防ごうとすると、ドライブされてキックアウトとズレを作られる。その後で2つ目、3つ目のシュートを止めることができなかった」と語る。

竹内譲次

ビエリツァとの再会「敵として勝負したい」

ここまで世界の壁の高さを痛感するばかりの日本代表だが「一矢報いる気持ちで戦う。2006年より成長できたことを結果で示すチャンスは残っている」と竹内が言うように、モンテネグロ相手に大会前から目標としている欧州勢からの1勝を挙げられれば、来年の東京オリンピックへと繋がる大きな成果となる。

また、竹内個人にとってモンテネグロには昨シーズン、アルバルク東京で一緒に戦ったミルコ・ビエリツァがおり「もしかしたらもう会えないかもしれないと思っていたので、コート上で再会は嬉しいです。ただ、明日は1人の敵として勝負したいです」とモチベーションがさらに高まる。

そしてエースの八村がいない今、竹内はアジア予選を勝ち上がってきた時の戦いを出すことが必要と考える。「今、めまぐるしく状況が変わって核となる選手が離脱しました。彼ありきで親善試合からやってきた部分はあります。ここで雄太もいますが、BリーグのWindowsを勝ち上がって来たメンバーでやってきたことをもう一度出すいい機会。そこを強調していきたいです」

予選でやってきたことを出す。そのためには竹内が攻守において、ここまでの大会4試合を上回る存在感を出すことが不可欠となる。ベテランの意地がコート上で発揮されることを楽しみに待ちたい。