ヤニス・アデトクンボ

マーカス・スマートが鉄壁の守備でMVPを封じる

バスケワールドカップは2次リーグに突入。1次リーグを全勝で終えた優勝候補筆頭のアメリカは、ギリシャに69-53で勝利した。

この試合で注目されたのは、ギリシャのエースにしてNBAの昨シーズンMVP、ヤニス・アデトクンボ。結果だけを見れば、アデトクンボは15得点13リバウンドのダブル・ダブルを記録したが、出場時間での得失点差を表す±の数字は-17で、アデトクンボの今大会ワーストとなった。

アメリカは、アデトクンボ対策としてマーカス・スマート、ジェイレン・ブラウン、マイルズ・ターナーをマッチアップさせた。特にスマートの鉄壁ディフェンスの前に、アデトクンボはボールにも触れられない時間帯もあった。

ロースコアの展開となったものの、アメリカはこれまでの3試合と比べてオフェンスの流れが改善されつつある。フィールドゴール成功率こそ36.4%だったが、ボールを動かしてオープンな選手を作るチャンスメークは改善されている。

ヘッドコーチのグレッグ・ポポヴィッチは「経験豊富な相手との試合だった。彼らの組織力は高い。フィジカルも強い。我々にとっては良い試練になったし、この試合のおかげでレベルアップできた」と語った。

非常に見応えのある一戦だったが、後味の悪い終わりになったのは残念だ。

アメリカが勝負を決めた状態で迎えた第4クォーター終盤、ハリソン・バーンズがスティールからボースハンドダンクを決めた際、タナシス・アデトクンボが背後から危険なファウルを仕掛けた。タナシスに強く押される格好となったバーンズは、ダンクを決めた後でコートの外に飛ばされ、カメラマンと衝突。幸いにもケガはなかったが、危険な場面だったのは言うまでもない。試合終了後にヤニスとブラウン、タナシスとスマートが険悪なムードになりかけたが、両チームの選手とコーチが間に入ってその場を収めた。

グループKから準々決勝に勝ち上がる2チームは、次戦の結果で決まる。アメリカは9日にブラジル、ギリシャはチェコと対戦する。