取材・写真=古後登志夫

興南は沖縄県代表として昨年のインターハイ、ウインターカップ、そして今回のインターハイと全国の舞台へと駒を進めている。昨年のインターハイでは2回戦止まり。ウインターカップでは3回戦で東山(京都)と激突。沖縄らしい足を使った平面のバスケットを展開しながら要所で身体能力の高さも見せて優勝候補を相手に善戦したものの、終盤に突き放されて敗れた。

結果も内容も向上してはいるが、新チームになり「サイズがガクッと落ちた」と井上公男監督は言う。それでも「ウチはどこと対戦するにしても高さでは苦労するので、プレスディフェンスでどれだけバックコートにプレッシャーをかけられるか」と、短所を嘆くのではなく長所で勝負しようと意気込む。

身長は小さくても運動量とスキルで真っ向勝負を挑むのが沖縄のバスケットスタイル。井上監督はいつでも「小さくでも上のレベルで戦えることを全国のバスケットファンに見せたい」と言う。去年のチームで2年生エースだった平良陽汰、そして機動力とリバウンドを兼ね備えたアデバンジョ・ウィリアムに、インターハイへの抱負を聞いた。

「パスをたくさん回して興南らしいプレーを見せたい」

──平良選手は3年生になってキャプテンに任命されました。

平良 キャプテンになったことで責任感が出てきました。言うべきことを言わないとチームが崩れてしまうので。でも、チームをまとめるのが特に大変だとは思いません。

──去年に続いてのインターハイ出場です。今のチームの強みはどこですか?

ウィリアム 去年に比べて身長が低い分、より走る必要があると思っています。ディフェンスからの速攻とかリバウンドを意識しています。去年には試合に出ていなかったメンバーもいて、試合経験もまだまだ足りません。でも試合に出ることでみんな責任感が強くなったし、これから成長してもっと伸びるんじゃないかと期待しています。

──6月24日の全九州大会がインターハイの前哨戦でした。九州のトップレベルのチームと戦った印象は?

ウィリアム やっぱり強かったですね。自分たちのやりたいバスケをやらせてもらえませんでした。試合経験が少ない中で、勝ちたい気持ちだけが前に出て「自分が自分が」となってしまいました。自分はジャンプ力が武器なのですが、相手の留学生選手を抑えられなかったし、攻めるべきところで攻められなかったこともありました。相手の高さにちょっと苦手意識が出たので、そこは修正しなければいけないです。

──インターハイでは何を目標にしますか?

平良 センターコートに立つことが目標ですし、全国制覇も視野に入れています。僕たちはまず走ることが大事。九州大会では第4ピリオドまで走り切れていない課題がまだあると分かったので、そこを改善してインターハイに臨みたいです。

ウィリアム 僕はハーフですが、留学生の選手に負けたくない気持ちがあります。自分たちは他のチームに比べて小さいので、パスをたくさん回してガンガン走る興南らしいプレーを全国で見せたいと思います。