西村文男

ユルいトークの中に飛び出す熱い秘話!

『F会』とは、千葉ジェッツのポイントガード西村文男が自らプロデュースするファンとの交流イベント。9月6日、その『F会』のイベントとして新宿にて行われたのは『島田会長飲み会』だった。西村がホスト、新岡潤が進行役を務め、島田慎二会長を囲むトークイベントは、まだシーズンオフとあって和気藹々、集まったファンと接する時間もたっぷりと用意され、思い思いに交流を楽しむ場となった(写真左から、新岡潤、米盛勇哉、島田慎二、西村文男)。

島田は前夜に上海でバスケワールドカップの日本vsアメリカを観戦。ホテルに戻ってからもモヤモヤして、部屋にみんなで集まって深夜まで飲み、当日に帰国したそうだが、疲れた様子もなくビール片手にエナジー全開。8月に社長を後任に譲って会長になったことで、西村が「ずっと社長と呼んでいたので、これからどうするか」と語ると、島田は「島ちゃんで!」と答え、少なくともこのイベントでは参加者から「島ちゃん」と呼ばれることに。

西村はどうも鼻が気になる様子。4日に島根でのプレシーズンゲームがあったが、その翌日にも非公開でゲームが行われていた。ここで相手選手の肘が入り、なんと鼻を骨折してしまったという。開幕を1カ月後に控えて状態が懸念されるが、ひとまずこの場で西村が心配したのは参加者と撮る写真のSNS映えだった。

ユルいトークが続く中でも熱いエピソードとして紹介されたのが西村と島田の出会いだ。千葉ジェッツがbjリーグからNBLへと移った2013-14シーズン、クラブにとってNBLで初となる開幕戦の相手が日立サンロッカーズで、ポイントガードとしてプレーしていた西村に「すごっ!」と島田は一目惚れ。その時点で、シーズンが終わったら声を掛けると決めたそうだ。こうして島田が口説きに乗り出した食事の席のことを、西村は「ご飯を食べながら、僕にしては珍しく熱い話をしたんです。すぐに千葉に行きますと言いました。島田さんの話を聞いて、その時にジェッツはここまで強くなると思いました」と回想する。

島田は「弱かったチームなのに即決してくれた」ことにあらためて感謝し、選手獲得の交渉について「何度も交渉して口説くより、一発で決めてくれた選手のほうが長く在籍してくれる」と話す。実際、西村にとっては来月開幕する新シーズンが千葉での6年目、日立を超えてキャリアで最も長く在籍するチームになる。また新シーズンはキャプテンにも指名された。

その後はスペシャルゲストとして、千葉ジェッツの新社長になったばかりの米盛勇哉が迎え入れられる。先月の就任会見では緊張の面持ちだった米盛だが、今回は飲み会とあってリラックス。西村は「我が家の坪倉(由幸)さんに似ているので、下ネタを言おうとしたところで選手が『言わねーよ』と突っ込むパターンを作っていきたい」と新社長をイジり倒す意気込みを発表した。これに米盛は苦笑いするばかりで下ネタを言うことなく、西村のパスを得点に繋げられないアシストキラーぶりを発揮したが、笑いはまた次の機会に。

楽しいトークと交流が続き、最後に開幕への強い決意が語られることもなく、みんな笑顔で散会。ファンと同じ立ち位置でマイペースに接する西村らしいイベントとなった。